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渋野日向子にキム・ヒョージュ、イ・ジョンウン6…憧れの選手から学んだこと【19歳・櫻井心那、初の海外メジャー挑戦記】

AIG女子オープンで米ツアー5勝のキム・ヒョージュと一緒に練習ラウンドを行いパシャリ(撮影:福田文平)

19歳にして櫻井心那は海外メジャーに初出場。「AIG女子オープン」(全英)に乗り込むと、4日間を戦い抜いてトータル5オーバーの50位タイで終えた。帰国して3試合目には、国内ツアーで3勝目を飾り、さらなる活躍にも期待がかかる。海外の地で何を感じ、そこからどのように成長していくのか。単独インタビューからその素顔を紐解いていく。

◇    ◇    ◇

Q:大会期間中は緊張しなかったとのことですが、憧れのキム・ヒョージュ選手との練習ラウンドはどうでしたか?
 
緊張しましたね(笑)。『わ~』っていう感じでした。その時が一番緊張していたかもしれないです(笑)。
 
Q:どのような会話があったのでしょうか?
 
去年のインドネシアの大会(8月「シモーネ アジアパシフィックカップ」、海外トーナメントとしては自身プロ初出場)でも話していたんです。『オレンマニエヨ』って韓国語で『久しぶりですね』、と言ったら覚えてくれていました。写真も一緒に撮って、動画も撮ってもらって、かっこよかったです。
 
何を話しただろう…。ラウンドが終わって、クラブハウスに戻ったときに話しました。『わたしはいまから練習に行く』と言ったら、『調子がいいのになんで行くの? わたしはもう終わるよ』って言われました(笑)。一緒にプレー出来て楽しかったです。
 
Q:プレーしてみていかがでしたか?
 
めっちゃうまかったです。もともとヒョージュさんのスイングが好きで、間近で見られて、『やばいなこのスイング!』と改めて思いました。サラッと打つし、頭が全然動かないし、軸も動かなくて。止まったようにスイングをするから、崩れなさそうな美しいスイングです。生で見られて『やばかっこいい!』と興奮しました。
 
Q:その前の日には渋野日向子プロとも練習ラウンドをしていましたね
 
とても勉強になりました。わたしの憧れの人というか、なんていうんだろう、人がよいです。ずっと感動していました。人格者といいますか、気を遣ってくれるけどフレンドリーだし、わたしも渋野さんみたいになりたいなと改めて思いました。
 
ココナッツとかここちゃんとか、いろいろ呼んでくださります。袋に『ココナッツ』って書いて、お菓子とかおにぎりをくれました。すごいお世話になって、そういうところもすごい尊敬します。
 
Q:海外でいろんな選手を見たと思いますが、一番すごかった選手は誰ですか?
 
一緒に回った選手のなかでも、初日と2日目にイ・ジョンウン6さんと回って勉強になりました。ほぼストレートボールという感じでしたが、風に流されない強い球でした。風のなかでも同じリズムで打って、同じ球筋で、そして飛ぶし。ヒース(ラフ)に入ったところをあまり見ませんでした。ずーっと真っすぐ打てるんですよ。うま!って思いました。わたしなんかは散らかしていて(笑)。
 
あとは、難しいライからもアプローチでパーを拾ったりしていました。そのうまさやセンスにもびっくりでした。
 
Q:その学びは、これから生かしていきたいところですか?
 
いままではスイングはあまり考えずに、球のイメージが作れて、そういう球が打てればOKって思っていたけれど、ブレないスイングや再現性も大事だと思うようになりました。日本にいたら、全英で見た選手たちのように軸を太くしたい、とは思わなかったかもしれないですね…。新しく気づくことができました。
 
Q:体幹トレーニングをしたり…
 
やらなきゃいけないと思っているけど、全然やれていない(笑)。連戦が続いて、それどころではないというか…。疲れを少しでも取って、毎ラウンドで最後まで集中できるようにしないといけないと思っています。やらなきゃいけないことがいっぱいあるけれど追いつかない…というのが現状です。うまくバランスを取って、しっかりと取り組んでいきたいですね。
 
Q:逆に通用すると感じた強みはありますか?
 
ドライバーの飛距離はかなり出ていました。予選ラウンドは風があまりなかったぶん、左右にバラけてちょっと曲がってもラフで止まっていました。
 
でも、決勝ラウンドは風が強くて、フェードが左からの風でどこまでも流されてしまっていました。制御不能になってしまっていて、疲れていいスイングができていなかったです。体調面からスイングが崩れたので、まだまだだと思いました。ブレないスイングをつくることは大事だと実感しました。
 
櫻井心那(さくらい・ここな)/2004年2月13日生まれ、長崎県出身。長崎日大高3年時の21年6月にプロテスト一発合格。ルーキーイヤーは下部ステップ・アップ・ツアーが主戦場となったが、史上最多の年間5勝を挙げて賞金女王タイトルを獲得。23年「資生堂レディス」でレギュラー初優勝を飾った。「ゴルフ5レディス」で3勝目を挙げ、史上3人目となる10代3勝を達成。平均250ヤード超えのドライバーショットが武器。ニトリ所属

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