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見せた攻めの姿勢と緻密な計算 笹生優花は首位と6差に後退も逆転へ意欲

笹生優花は2日連続で伸ばせず。トップとは6打差に開いたが、心は折れていない(撮影:ALBA)

<CPKC女子オープン 3日目◇26日◇ショーネシーG&CC(カナダ)◇6685ヤード・パー72>

初日を首位発進としながらも、2日目は3位に後退。首位と2打差から出た笹生優花は3バーディ・3ボギーとスコアを伸ばせず、それでも4位タイの好位置で3日目を終えた。とはいえ首位とは6打差。最終日の逆転にはファーストラウンドの「66」同様、ビッグスコアが必要となりそうだ。

1番で幸先良くバーディ発進を決めたが、続く2番でボギー。その後はパーオンを逃す場面が多く、きわどいパーセーブの連続だった。6番ではピンまで40ヤードほどを2メートルに寄せてパー。2オンを狙った7番パー5ではその2打目がグリーンオーバーし、逆目のライからのアプローチはグリーンを超えて手前のラフへ。そこから絶妙なアプローチでなんとか1パットに収めたが、8番でもバンカーから寄せワン。9番でもグリーン奥のラフからしぶとく寄せてパーと、しのぐゴルフが続いた。

「グリーン回りは難しいので、もう少し気をつけないと」。フェアウェイヒットは8回でパーオンも8回。豪快なショットで攻めるイメージの強い笹生だが、グリーン周りの多彩な技でなんとかしのいで後半に入った。ところが10番パー4でもピンチ。右サイドのピンに対して2打目が右のバンカーにつかまった。そこから2メートルに寄せるもこらえきれずにボギー。暗雲が立ちこめた。

続く11番パー5は2オンを狙えるパー5。左サイドに罠があるホールで、フェアウェイ右サイドに置きたいティショットは左サイドへ。グリーンを狙った2打目は右の深いラフにつかまり、3打目はグリーン手前のこれまたラフに落ち、そこからなんとかパーセーブ。「ティショットがあんまり良くなかったので」。フェアウェイに置いても左右から迫る高い木を避けるためには置く場所も重要となるなかで、なかなかチャンスメイクが叶わない。

そんな流れを断ち切ったのが13番パー4。2打目を3.5メートルにつけてバーディを奪うと、16番パー4でも130ヤードの2打目を46度のウェッジでピン左2メートル。これを沈めてこの日アンダーパーに潜った。最終18番は左足上がりのライからピッチングウェッジで放ったショットが思いのほか左に飛びボギーとしたが、なんとかオーバーパーを打たずに済んだ。

豪快なドライバーショットとピンを攻めるゴルフは確かに笹生の持ち味だが、その中でも繊細に攻めのルートを模索できるのも強み。「(バーディ)を狙ったから獲れるわけではないけど、獲れる確率を高くすることを狙っている」。例えばパー5で2オンを狙う・狙わないも緻密な計算あってこそ。7番では不運にもラフにつかまって結果的にパーに終わったが、「獲れなくてもすごく悪い内容で獲れないわけではないので、深くは考えない」と結果に惑わされないのも、これまた長所だ。

「あしたも楽しんで」と、いつもと変わらずに臨む最終日。2021年の「全米女子オープン」でセンセーショナルな勝利を挙げてから2年が経ったが、未勝利期間で成長した“大人のゴルフ”は、きっと逆転につながるはずだ。(文・高桑均)

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