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「勇気を持って突っ込む」作戦敢行 安田祐香が6アンダー3位タイ発進

初日6アンダーの好スタートを切った安田祐香(撮影:上山敬太)

<大東建託・いい部屋ネットレディス 初日◇20日◇ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(福岡県)◇6540 ヤード・パー72>

安田祐香が7バーディ・1ボギーの6アンダー、3位タイで初日を終えた。「いつもよりパターが入ってくれました。パターが入らないと、こういうスコアはつくれません」と、振り返った安田。

「グリーンが軟らかく重い」と多くの選手が口にする今大会。雨が降り続いた影響で速さはスティンプメーターで9と1/4フィート、硬さはコンパクション20.5ミリというコンディション。スピードは一般営業コースでもあるくらい。一方、硬さはというと男子トーナメントで24ミリ、一般営業コースで22~23ミリだというから、20.5ミリはかなり軟らかい。ミリで表しているのは指数高度目盛で、値が大きければ大きいほど硬いということだ。
 
「グリーンが軟らかいので、ショットもパッティングも勇気を持って突っ込まないとなりません。パッティングはいつもショートしがちなんですが、きょうは打てていました」と安田は話したが、なぜこの日は打てていたのだろう。
 
実は今大会の練習日に「新たなパッティングの練習法を取り入れたんです。それがよかったのかもしれません」と、安田のコーチを務める坂田正樹が教えてくれた。
 
その練習法とは「振り上げてトップをつくったときに、1拍ではなく2拍止める。これをやることで、フェースアングルを確認できるんです。そしてもうひとつ、『トントンころり』をやりました。バックストロークを始めるときにソールが地面にくっついていると、芝をこすってヘッドを上げることになります。これだとフェースがかぶってしまうんです。安田もこれで引っかけていました。そこで振り上げる前にヘッドを軽くトントンと真上に上げて、タイミングを計って始動。トントンとやってから、ボールを転がす。これを行うことでヘッドがほんの少しだけ浮いて、芝にこすることがなくなります」と、坂田コーチ。
 
この練習と安田の言う「勇気を持って突っ込む」作戦が、見事にかみ合い結果に結びついたのだ。
 
これまでは、あと一歩のところまで来ていながら届かなかった初優勝。初日の結果だけで判断するのは早計かもしれないが、その新しい景色により近づいたのは確かだ。
 
「これまでというか、いつもは強い気持ちが足りていなかった気がします。でもそれも自分。結果よりも内容を重視して、しっかり自分に向き合っていきます」と、安田に余計な気負いはない。この平常心も、「優勝する」ことが安田の中で確信に変わってきているのだと感じさせた。(文・河合昌浩)

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