ホールアウトから6時間超で予選通過決定 渋野日向子の長い一日

渋野日向子はギリギリの予選通過にホッと一息(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン 2日目◇10日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>

渋野日向子は朝一番の7時10分にスタートし、午前11時35分にトータル1アンダーでホールアウト。その時点では60位前後と、予選通過が危ぶまれる位置にいた。その時点では午後組のトップがスタートしたばかりで、65位タイまでの予選通過ラインは通常であればそこから上がっていく。ところが、ここからほとんど順位は動かなかった。

出場人数の半数を占める午後組に加え、渋野以降の午前組もプレーを残していた状況では、カットラインが上がると予想された。渋野自身も週末を見据えて練習に向かったが、「厳しい」という状況に変わりはなかった。

ところがラウンドが進むにつれて、意外にもカットラインは上がらない。トータル1アンダーというボーダーはついに最後まで変わらず。微妙な風も断続的に吹き、後続がスコアを伸ばせないまま最後は62位タイという成績で、なんとか予選通過が決まった。最終組がプレーを終えたのは午後6時過ぎ。実に6時間超ものあいだ、渋野はハラハラの時間を過ごした。

何度もチャンスはあったが、3~4メートルを決めきれず。同じような距離のパーパットも決まらず、ズルズルとスコアを落とした。そんな苦しい展開でも諦めず、最終ホールで起死回生のバーディを奪い、結果的にコレが予選通過へとつながった。

「パットは入らないし、ショットも別にいいとは思わないという中で、1コでも入ってくれたら…という、なかなか入らないもどかしさがあった」。前日は5メートル級のパットをいくつも決めたが、「パンチが入ってしまったり」と、入れたい気持ちが先行して、カップを過ぎる場面がさらなる焦りを呼び込んだ。

そんな一日も、最後のバーディで多少は報われた。「待つしかないし、望みを残せたというのは良かった」。予選落ちが確定すれば、その時点でシード落ちが決まっていただけに、土俵際で堪えたこのバーディを意地でも残り2日で生かすしかない。

予選を通過したとはいえ、このままの順位でいけば年間ポイントランキングは84位と、いまよりも3ランクダウンでシードを失う。フル出場権を得る80位内を目指すため、自力でつかんだ延命の権利を無駄にすることなく、週末で借りを返しにいく。

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