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決め切れなかったラストピース 松山英樹はボギーフリーの「69」にも心残り

2番以降の17ホールですべてパーオンしたが、バーディパットが沈んだのは2回だけだった(撮影:福田文平)

<全英オープン 3日日◇22日◇ロイヤル・リバプールGC(イングランド)◇7383ヤード・パー71>
 
12番で9メートルのバーディパットがわずかに決まらなかった松山英樹は、手で顔を覆った。イーブンの25位タイから優勝戦線への浮上を図ったムービングデーは、ボギーフリーの「69」。だが、最後まで表情が晴れることはなかった。

1番はグリーン手前の花道からパターを選択し、“2パット”のパー発進。ティショットがアイアンだった3番で、フェアウェイからピン上3メートルにつけてバーディを奪った。だが、最もやさしい5番パー5ではラフを渡り歩き、続くアプローチは手前のポットバンカーが気になる状況。カップ奥にオーバーして2パットのパーで終わった。
 
その後はワンピンほどのパットを打つチャンスが続いたが、これがカップに沈まない。左ラフから残り149ヤードを4メートルにつけた14番では、バーディを記録したが、決まったのはこの1ホールだけ。2番以降、すべてのホールでパーオンに成功したものの、1パットはバーディとした3番と14番のみ。そのほかはすべて2パットを記録し、パット数は『33』に落ち込んだ。
 
雨が降ってグリーンがやわらかくなり、リンクス特有の風が弱まったムービングデー。ジョン・ラーム(スペイン)がボギーフリーの「63」を叩き出すなど、ロイヤル・リバプールは伸ばし合いの様相を呈した。ピンチをしのぐという言葉が出てこないような安定したプレーで、松山はショットでバーディが狙える位置につけ続けた。だが、“ラストピース”が決まらない。
 
初日はパット貢献度(ストローク・ゲインド・オブ・パッティング)が『+2.79』で全体7位につけていたが、この日は『-0.97』とマイナスで全体54位。30パットだった2日目には「パターもきのう(初日)とは違って、ちょっと苦労しました」と話していたが、感覚を取り戻すことができなかったようだ。
 
ラフから打った2日目の12番2打目以降、自身の左腕あたりをマッサージするような姿も見られていた。しかし、この日はプレー中に気にかける様子はなかった。
 
中継局のインタビューでは「そう簡単に、OKバーディみたいな感じは、このコースでは求められない。5~6メートルが入ってくれないと、チャンスはない」と話した。伸ばしきれなかったことを「残念」と悔やむが、それでもトータル2アンダーは17位タイに順位を上げた。
 
首位のブライアン・ハーマン(米国)とは10打と差は大きいが、2位とは5打。松山にとって、追い越せない数字ではない。狙う「5~6メートル」にショットがつけられていることは、最終日に向けての好材料とも言えるはず。今季メジャー最終戦のラスト18ホール。これまでのうっぷんを晴らすようなプレーを期待したい。(文・笠井あかり)

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