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なぜ全国20道府県から地方大学に選手が集まるのか?北陸大学が見せる大学卓球部の1つの在り方

コミュニケーションが増えて指導面にも好影響

現状の学業面の可視化と指導者からのフィードバックにより、いい加減な履修や安易に単位を落とすことが減少。さらに学生1人1人との面談を通して、学生のことをより深く理解できるようになった。

写真:笑顔でアドバイスを送る木村信太監督(北陸大)/撮影:ラリーズ編集部
写真:笑顔でアドバイスを送る木村信太監督(北陸大)/撮影:ラリーズ編集部

「学生も自身の将来やビジョンのために履修した科目の理解度を深めていき、講義に取り組んでいると感じています。また、私達部活動の指導者が学業面や将来についても学生と話し合うことで、より学生のことを理解して競技の指導にも携われるようになりました」と指導面でも好影響があると木村監督は語る。

「おめでとうより、ありがとうと言われるチームへ」

大学卓球を終えた後、全ての選手がプロになれるわけではない。ほんの一握り以外は、1人の社会人として生きていくことになる。そのため大学は、卓球競技の成績向上に向けて取り組むだけでなく、学業を通して教養を深めることや社会人基礎力を高めることができる最後の教育機関としての役割も大きい。

写真:清掃活動を行う部員/提供:北陸大学卓球部
写真:海岸で清掃活動を行う部員/提供:北陸大学卓球部

「おめでとうより、ありがとうと言われるチームへ」をスローガンとして掲げ、地方勢として環境などを言い訳にするのではなく、こうしたサポート体制を整えたり、学生自ら企画したボランティアなど地域貢献活動を行ったりと北陸大学卓球部は精力的に活動を続ける。

その結果、昨今では一般企業への就職のほかに、公務員の内定が出たり、経営者になる者も出てきたり、幅広い就職実績が出てきたとともに、全国から選手が集うようになってきている。

北陸大学は卓球の競技成績だけでなく、地方から大学卓球部の1つの在り方を見せ続けている。

写真:インカレ2023での北陸大学/撮影:ラリーズ編集部
写真:インカレ2023での北陸大学/撮影:ラリーズ編集部

取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

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