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アレ?ドライバーがない! 『御殿場』攻略に今平周吾は3ウッド2本の“奇策”で4位発進

ヤマハの新作スプーンで好スタートを切った今平周吾(撮影:上山敬太)

<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇9日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

「ティショットが安定していたので、組み立てやすかった」と2018年、19年の賞金王の今平周吾が3バーディ・ボギーなしの「67」でラウンド。首位と1打差の4位タイで滑り出した。ティショットの安定感は“奇策”が奏功したかたちになる。

ホールアウト後に今平のキャディバッグを覗くとドライバーがなく、3番ウッドが2本入っていた。1本は昨年から使うコブラ『LTDx』で、もう1本は今秋発売されたばかりのヤマハ『RMXVD フェアウェイウッド』である。コブラ社製はキャリー260ヤードほどでヤマハ社製はシャフトを0.25インチ長くして43インチ。キャリー275ヤードほど打てる「ティショット専用」の3番ウッドである。ちなみにドライバーはキャリーで280~285ヤードほどなので、3番ウッドの飛び系具合が分かる。

密集度の高い松林にセパレートされたこのコースは「ティショットをフェアウェイに置けると攻めやすい」という考えから、“飛び系”に定評のあるヤマハ社製の3番ウッドを前日のプロアマでテスト。「クラブが短い分振りやすいし、ドライバーよりプレッシャーなく打てる」。ドライバーに不安があるわけではないが、より“安心感”を求めてドライバーを抜く決断をした。

この日のフェアウェイキープ率は、パー3を除く14ホール中12回と作戦どおり高い数字を残した。18番パー5はドライバーがなくても2オン可能。3番パー5は「3打目勝負」と割り切っている。長いパー4で200ヤード残っても「アイアンの調子もいい」とフェアウェイにあれば苦労せずグリーンをとらえられている。

ジュニア時代は同コースでクラブチャンピオンになった経験もあり、「コースのイメージはいい」。しかし、松山英樹監修、リース・ジョーンズ設計による大幅改修を行った2018年以降、同大会でトップ10入りはない。

今季開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で優勝を挙げ、賞金王奪還を掲げたが現在9位に甘んじている。シーズン2勝目に向けても「3番ウッド2本」という“奇策”がハマるかもしれない。(文・小高拓)

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