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全米オープン初出場を決めた35歳の永野竜太郎と31歳のチャルングン それぞれの思い 

36ホール担いで回ったチャルングンと永野竜太郎(JGA、ALBA)

<全米オープン最終予選 最終ラウンド◇22日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇7090ヤード・パー72>

日本の最終予選から行ける「全米オープン」のたった3つしかない枠を見事にゲットしたのはガン・チャルングン(タイ)、永野竜太郎、石川遼。石川にとっては2年ぶり7度目、チャルングンと永野にとっては初めての全米オープンとなる。

チャルングンはハウスキャディの予約を忘れて、急きょ36ホール担ぎでのプレーとなり、スコアだけでなく体力との戦いを強いられた。「そのぶん、自分のプレーに集中できましたし、自分にフォーカスしてプレーすることができました」と話す。

リタイヤも意識したが、前半18ホールを5アンダーで回れたことから、しっかり36ホール完走。後半はなんと「63」をマークしてトータル14アンダーでトップ通過を果たした。「出場するのが目標でした」。31歳にして初めて全米オープンの舞台に上がる。「トップ10を目指しますが簡単でないこともわかっています」と意気込みを語った。

一方。チャルングンを4つ上回る35歳で初出場を決めた永野。これまで9シーズンでシードを獲得したが、日本ツアーでまだ優勝はない。2021年には「~全英への道~ミズノオープン」で2位に入った資格で「全英オープン」の土を踏んだ。「メジャーはやっぱり特別感というか雰囲気も日本とは全然違う。それはイギリスだったけど、アメリカにはちっちゃい頃から行きたいと思っていた」と長年の夢の1つが叶った。

全米オープンの思い出を聞かれると、「タイガーのトリーパインズ」と即答する。08年の全米オープンはタイガー・ウッズ(米国)の庭といわれるトリ-パインズGCが会場。米国男子ツアー「ファーマーズ・インシュランス・オープン」の舞台として知られ、それも含めるとウッズはトリ-パインズGCで8勝を挙げている。その全米オープンは72ホールで決着がつかず、月曜日に行われた18ホールのプレーオフ、さらにエキストラホールで、ウッズはヒザを痛めながらもロッコ・メディエイト(米国)を退けて勝利している。

そんな永野が全米オープンで思い浮かぶのは、やはり我慢比べ。「いまはわからないですけど、フェアウェイが狭くて、ラフも出すしかないというイメージ。トップの選手がそれだけ苦しむということは、そうとう苦しいんだろうなと思います」。過去10年の優勝スコアを見ても、2桁アンダーになったのは2度だけ。オーバーパーだったことも過去10年で2度ある。

そんな大舞台で永野に目標を聞くと、「いま持っている自分のゴルフのスキルだったり、いまの自分のポジション、めった打ちされたとしてもどこまでやれるかを腕試ししたいですね」という答えが返ってきた。そして、「予選通過したいと思うかもしれないけど、思ってできたらたぶん何回も行っている」と冷静にいう。最後は「35歳なりに頑張ります」と、永野らしくクシャッとした笑顔になった。31歳と35歳の初挑戦は果たして。(文・下村耕平)

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