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ドナルド主将の目に狂いなし? プロ転向後に即ライダーカップ選出のアベルグ、その華麗なるキャリア

2週後に控えるライダーカップでは、チームメイトとして一緒に戦うローリー・マキロイ(左)とルードヴィッヒ・アベルグ(撮影:GettyImages)

<BMW・PGA選手権 3日目◇16日◇ウェントワースGC(イングランド)◇7267ヤード・パー72>
 
プロ転向からわずか3カ月、23歳のルードヴィッヒ・アベルグ(スウェーデン)が目まぐるしい日々を送っている。

アベルグは2週前、スイスで開催された「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」でツアー初勝利。その翌日の9月4日にはライダーカップの欧州選抜の主将を務めるルーク・ドナルド(イングランド)により、キャプテンピックに選出された。
 
今週の欧州ツアーの「BMW・PGA選手権」では3日目を終えて単独首位、勝てば欧州ツアー出場2連勝となる。「勝つことは簡単じゃない。だけど今はとてもショットが好調だから、この勢いでぜひ勝ちたい」と意欲をみせた。
 
彗星のように現れたアベルグだが、アマチュア時代からその経歴は輝かしい。
 
スウェーデンのスカニア出身。父の影響で8歳からクラブを握り、ゴルフ好きの父と地元のゴルフコースでプレーに興じた。父はアベルグに「アイスクリームを買ってあげる」と言って練習時間を延ばしたという。
 
13歳までサッカー少年だったアベルグは、サッカーでプロ選手になることを夢見ていたが、スウェーデンのジュニアゴルフで成功すると、次第にゴルフに集中。アニカ・ソレンスタムトロフィーも獲得した。今もプレミアリーグのリバプールFCの大ファンで知られている。
 
スウェーデンのナショナルチームで活躍後、2019年に米テキサス州のテキサス工科大へ進学。20年はコロナ禍で多くのアマチュア大会が中止されたが、欧州のノルディックゴルフリーグに参戦し、アマチュアながら2勝を挙げた。21年にはフランスで開催された「欧州アマチュア選手権」で2位、米PGAツアーの「バターフィールド・バミューダ選手権」にスポンサー推薦で出場して51位に入った。
 
そんなアベルグには当然「LIVゴルフ」からのオファーも。22年6月、まだアマチュアだったアベルグに250万ドル(約3億7千万円)の契約金を提示したと言われている。
 
しかし、アベルグはこれを受託せずカレッジゴルフに専念。22年9月には世界アマチュアランキング1位に立っている。PGAツアーが開始した「ユニバーシティ・ポイント」1位の資格で、今年6月にプロ転向したときには、23年の残りと24年のPGAツアーのフル出場権をすでに獲得している。
 
プロ転向後はすぐにPGAツアーに参戦。7大会に出場し7月の「ジョンディア・クラシック」では4位タイに入った。PGAツアーのプレーオフが始まった8月中旬以降は、ドナルド主将の勧めに従い、DPワールド(欧州)ツアーへ参戦し、見事にその力を発揮している。
 
身長191センチと恵まれた体で平均飛距離は328ヤード。最終日はライダーカップでチームメイトとなるトミー・フリートウッド(イングランド)、ジョン・ラーム(スペイン)らが23歳のスーパールーキーを追いかける。(文・武川玲子=米国在住)

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