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「自信を無くして帰るわけじゃない」 プロテスト合格を目指す女子アマ覇者・飯島早織が手にした“収穫”

予選落ちに終わった女子アマ覇者の飯島 このあとはプロテスト合格を目指す(撮影:佐々木啓)

<日本女子オープン 2日目◇29日◇芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)◇6528ヤード・パー72>

今年の「日本女子アマ」覇者・飯島早織(ルネサンス高3年)は初日「76」の4オーバー・94位タイと出遅れたが、2日目も1バーディ・2ボギーの「73」。トータル5オーバー・83位タイで予選落ちに終わった。結果的には納得のいくものではなかったが、1カ月後に迫った最終プロテストに向けて好材料を得られる2日間となった。

予選ラウンドは昨季の年間女王・山下美夢有、2季前の年間女王・稲見萌寧という注目組に入った。初日は午後のスタートで強い雨風の中ティオフ。バーディを奪えず出遅れたが、予選通過を目指したこの日は、必死にスコアメイクを続けた。

10番から出た飯島は、前半9ホールはスコアカードどおりの「36」。折り返した1番パー5で奥から6メートルを流し込んで今大会初バーディ。予選通過に臨みをつないだが2番から連続ボギーで後退した。「ナイスパーの連続で、しのぎました。パーパットは入るのにバーディパットが入らない…。アンダーパーで回ってもおかしくない内容でした」と納得できる部分も多かった。

飯島はドライバーの飛距離が平均で220~230ヤード。飛距離よりも精度で勝負するタイプ。プロのトーナメントに出場すると同組の選手に20~30ヤード置いていかれることも珍しくないが、後ろから打って他の選手よりもピンの近くに乗せるシーンもよく見せる。

今大会は1打目ドライバー、2打目3番ウッドを握ってもグリーンに届かないパー4が3~4ホールあったという。「普段から40~50ヤードのアプローチの練習をしている」と2打で届かないパー4では得意距離に刻んで“3打目勝負”でしのぐ場面も多かった。「以前だったら、無理に狙ってガードバンカーにつかまって難しいライからボギーってこともありました…。そこは成長しました」。ホールによってメリハリをつけて自分のゴルフに徹した。

この2日間で最も高評価だったのはグリーン上だ。バーディパットが決まらないことにストレスは感じたが、「2日間で3パットはゼロでした」と胸を張る。最近の課題の1つである1~2メートルのパーパットを決め続けたことで自信を深める。

「ショートアイアンで1ピン以内に寄せるという持ち味を生かせなかったのは心残り。なかなかスコアにつながらなかったのはやっぱり悔しい」と唇をかむ。その一方で「緊張した場面でも最近のやりたいことがしっかり試せたのがよかった。ほんとに細かい小さいミスをちょっとよくするだけで全然スコアはよくなりそう。何の収穫もなくただ自信を無くして帰るわけじゃない…手応えを感じられたから」。2日間で姿を消したことは不本意ではあるが、福井の地で得た経験を次に生かす。

今年の大きな目標は、合格率約3パーセントといわれるプロテストである。日本女子アマ優勝の権利で最終プロテスト(10月31日~11月3日)から受験できる。将来の職場でもあるツアーを代表する選手2人と2日間を共にして「一番の課題は飛距離ですけど、もともとわかっていたことです。今すぐできることじゃないので、ほかの部分でトッププロの方と比べて自分が今どういう状況なのか把握できたのはよかったです」と自身との差を肌で感じられたのも大きな財産である。

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