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畑岡さん残念「全米女子OP」! 次のチャンスにぜひ【原田香里のゴルフ未来会議】

3日目にノーボギーの「66」を叩き出し最終日を単独首位で迎えた畑岡奈紗(撮影:ALBA)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今週は、22人も日本人選手が出場した「全米女子オープン」について、お話ししなければならないでしょう。

畑岡奈紗さんが単独首位で最終日を迎えたメジャー優勝争いの余韻にひたりながらお話ししています。私も毎日、早朝からテレビ観戦していましたが、特に最終日は手に汗握る思いで見ていました。
 
3日目にノーボギーの「66」という素晴らしいプレーをした畑岡さんでしたが、最終日は残念ながら思うようにはいきませんでした。最初からパットが「ひと筋違う」という感じでなかなか入らず、スコアを崩してしまいました。
 
対照的にスコアを伸ばした同じ組のアリソン・コープスさんが見事に初優勝。畑岡さんは悔しい思いをすることになりました。
 
「前日も9時間しっかり寝ました」と本人が言っていたように、おそらくいつものように過ごして、いつものように迎えた最終日だったのでしょう。でも、どこかでそうはいかなくなってしまうのが優勝争いというものです。ましてやそれがメジャーの舞台なら…。誰よりも悔しいのは本人です。私からは、また、次の機会に頑張って、としか言えません。
 
畑岡さん以外の日本勢も頑張りました。特に最終日に3アンダーで回って6位タイに食い込んだ古江彩佳さんは、さすがのしぶとさです。彼女がすごいのは、自分をしっかり持っていてそれを全うし、決してそれ以上のことをしようとしない、というところなのではないでしょうか。今後がますます楽しみです。
 
日本の選手だけで22人も出場するというのは、私たちの時代から考えると本当に驚きです。2021年「全米女子オープン」優勝の笹生優花さん、19年「AIG(全英)女子オープン」優勝の渋野日向子さんらのメジャー優勝者、昨年の「全米女子アマ」で優勝したアマチュアの馬場咲希さん、米ツアーで実績を積んでいる畑岡さん、古江さんの5人。さらに最終予選から8人が出場しています。日本会場では三ヶ島かなさんら5人が、米国でも上原彩子さん、野村敏京さん、アマチュアの長野未折さんが本戦への切符を手にしました。
 
一番多かったのは、ロレックスランキング75位以内での出場です。5月3日、7月3日の2回の時点でここに入っていればいいのですが、山下美夢有さんや岩井さん姉妹、西郷真央さんら9人が出場を決め、総勢22人がペブルビーチゴルフリンクスの舞台に臨みました。
 
ロレックスランキングからの出場選手が多いことには、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の長年の努力もあると思います。日本ツアーのポイントを増やしてほしいということもたびたび言ってきましたし、下部のステップ・アップ・ツアーもポイントが獲得できるように3日間の大会を増やしてきました。若い選手の多い現状では、これらも影響しているでしょう。
 
毎年行われる米国PGAツアーや「全米オープン」など、男子の試合ではおなじみのペブルビーチGLを、私は学生時代にプレーさせてもらっています。大学4年生の頃だったと思うのですが、日米対抗の舞台になっていたからです。名物ホールの7番、18番のことはよく覚えています。
 
女子メジャー初開催の今回も、難易度は抜群でした。その中で出場した日本勢の半分にあたる11人が予選を通過したのは素晴らしいことだと思います。出場人数といい、予選通過の数といい、日本選手のレベルが上がっていることはまちがいありません。
 
ただ、ペブルビーチのセッティングを見ていて、日本の選手がもっと強くなるにはツアーのセッティングをもう1段、厳しくすることを考える時期に来ているのかな、とも感じました。「全米女子オープン」のように時間をかけて準備をし、一般営業への影響はあまり考えなくてもいい、という状況になるのはなかなか難しいことは承知していますが…。今後、の課題のひとつかもしれませんね。
 
いずれにしても、畑岡さん、古江さんをはじめとする日本の選手たちの頑張りにどっぷりと浸った週末でした。これに続くメジャー2試合「アムンディ エビアン選手権」「AIG女子オープン(全英)」、さらにその先の彼女たちの活躍が本当に楽しみです。

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