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岸部桃子は右シフトからの左軸の変わり種!? フェアウェイキープ率4位の秘密は…【女子初シードスイング解説】

プロ入り12年目のシーズンを初シード選手として迎える岸部桃子(撮影:GettyImages)

3月2日の女子ツアー開幕に先がけ、22年に初シードを獲得した11人のスイングを飯島茜が解説。同時に今季の活躍を占う。今回はプロ入り12年目にして初めてシード選手としてシーズンを迎える29歳、岸部桃子のドライバーショットを見ていこう。

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岸部桃子 きしべ・ももこ
1993年12月25日生まれ 29歳 福島県いわき市出身 162センチ
メルセデス・ランキング37位 年間獲得賞金34位(3744万1311円)
22年シーズンの主な成績(明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント7位タイ、富士フイルム・スタジオアリス女子オープン6位タイ、伊藤園レディス2位など)
ドライビングディスタンス72位 232.39ヤード
フェアウェイキープ率4位 78.1987%
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ステップ・アップ・ツアーで2勝を挙げている岸部が、レギュラーツアーでもっとも優勝に近づいたのが昨年11月の「伊藤園レディス」。最終日最終組でスタートして、一時はトップに並ぶも女王・山下美夢有の前に1打差で涙を飲んだ。そんな岸部はフェアウェイキープ率4位と、曲がらないティショットが持ち味。試合で実際に回ったこともある飯島は「ショットメーカーのイメージはありました」という。

ステップ・アップ・ツアーで2勝を挙げている岸部が、レギュラーツアーでもっとも優勝に近づいたのが昨年11月の「伊藤園レディス」。最終日最終組でスタートして、一時はトップに並ぶも女王・山下美夢有の前に1打差で涙を飲んだ。そんな岸部はフェアウェイキープ率4位と、曲がらないティショットが持ち味。試合で実際に回ったこともある飯島は「ショットメーカーのイメージはありました」という。
 
そんな岸部のスイングは個性的。バックスイングのはじめはセオリー通りに右にシフトしていくが、途中からは左軸で回っているようにも見える。「腰の引き方が他のプロとは違いますよね。一瞬右には乗るんですけど、そこから左軸寄りになる。でも股関節は抜けていないし、下ろし方は普通でリバースしていないから彼女が持っている癖なのかもしれないです」。
 
リバースピボットとは、バックスイングで左足に体重が乗り、ダウンスイングでは右足に体重が残る打ち方で、通常の体重移動とは逆になる。岸部は左軸で回っているようにも見えるが、トップでは右の股関節で体重を受け止め、切り替えし以降はしっかり左に踏み込んで打っている。リバースではないのだ。では、曲がらない要素はどこにあるのだろうか。

「一番はスイングのタイミングが上手い。どんな選手でもタイミングがズレれば曲がります。捻転が強いからインパクトからフォローでも自然と頭が右に残って、勝手にクラブが良いところから入ってくれる。それが再現性の高さを生んでいると思います。前傾が起き上がってないし、腰はしっかり回転しているのでインパクトゾーンが長いんです」
 
昨年の12月31日時点で、シードを獲得した50人の平均年齢は26.6歳。最年少は川崎春花、佐藤心結、尾関彩美悠の19歳だったことを考えても、岸部の29歳は上のほうになる。30代中盤までシードを守った飯島は「ショットでけっこう良いところについてもパターを外している印象があった。その辺が上位の選手と同じくらいになってくると、常にシードは獲れるし、長く活躍できる選手になってくると思います」と話す。勝負所のパットが入れば、レギュラーツアー初優勝と連続シード獲得もみえてきそうだ。
 
■飯島茜
いいじま・あかね 1983年7月11日生まれ。千葉県出身。05年のプロテストに一発合格すると、同年から12年連続でシード権をキープし、「日本女子プロゴルフ選手権」などツアー通算7勝を挙げた。現在はツアーの第一線を退き、東宝調布スポーツパークでアマチュアにレッスンを行ったり、YouTuberとしても活躍中。

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