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アン・シネが「夢にまで見た」日本ツアーカムバック! 来季開幕戦出場へ意欲

セクシー・クイーンの帰還! アン・シネが来季の前半戦出場権をつかんだ(撮影:福田文平)

<JLPGA ファイナルQT 最終日◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース(静岡県)◇6421ヤード・パー72>

“セクシークイーン”がレギュラーツアーへ帰ってくる。アン・シネ(韓国)がQTランキング17位に入り、来季の前半戦出場権を獲得。2019年10月以来となる日本ツアーへのカムバックを果たす。

最終日はピンチから始まった。1番パー5で「こんなに広いフェアウェイ」からの2打目が右の木に当たり、4オン2パットのボギー発進。そこからチャンスが来ず、前半でさらに2つのボギーを喫して後退した。「そんなミスをしていたら、ダメな状況まで頭に思い浮かんだ」と大叩きも頭をよぎったが、ハーフターンで気持ちを切り替え、バックナインはオールパーで耐え抜いた。

「きょう一日が、まるで一週間のようです」。朝は食事が問題なく喉を通ったが、スタート時間が近づくにつれて、徐々に緊張を感じていた。「きょう一日、もし私がいいプレーをできたら、来年は夢にまで見たレギュラーツアーでプレーできる」。そう思い始めると体が震えてきたが、そのプレッシャーをはねのけた。「優勝したような気持ち。それくらい大事な試合だった」と、笑顔でゴールテープを切った。

2017年に日本ツアー初参戦。QT出場のために正会員の資格が必要になった19年には、最終プロテストに出場して一発合格を果たした。同年のQTでは25位に入り、翌年の前半戦出場権を確保していたが、年が明けると新型コロナウイルスが流行し、シネは日本に来ることができなかった。

そして今年、再びQTを突破し、来季からシネの“第2章”が幕を開ける。楽しみにしていることはたくさんある。「出たかった試合」に、例年では開幕戦にあたる「ダイキンオーキッドレディス」を挙げる。「いままで出られなかった。その試合に出られることが光栄」と、自力で切符をつかんで出場できることを喜ぶ。

そして、17年に日本デビュー戦を飾った「ワールドレディスサロンパスカップ」も待ち遠しい。「いい思い出が多い。フェアウェイを歩いたら、そのときの思い出がよみがえって楽しいと思う。ギャラリーは多いですか? 来てくれたらいいですね」。最終日にはイ・ボミ(韓国)と金田久美子と同組で、大ギャラリーを引き連れた。そんな光景も懐かしい。

QTを無事に終えたばかりで、来季のスケジュールについてはまだ見通しも立っておらず、目標も決められていない。韓国に戻り、落ち着いてからじっくりと考えるつもりだ。

今夜は祝杯を挙げる。「いっぱい飲む予定です。10時半に(家に)着くと思うので、誰も連絡しないでください(笑)」。きょうの“一番搾り”は格別な味になりそうだ。(文・笠井あかり)

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