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小祝さくらのパーオン率が高い2つのポイント【優勝者のスイング】

ラフからでも次々とグリーンに乗せていった小祝さくら

ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」で、悲願の地元Vを飾った小祝さくら。舞台となった真駒内CCのフェアウェイは狭く、4日間のフェアウェイキープ率は22/56(39.2%)と、決勝に進んだ69人中58位と苦しんだが、パーオン率は54/72(75%)と全体5位の成績を残した。「フェアウェイでもラフでもアイアンショットが素晴らしかった」と話すプロコーチの長谷川哲也に、われわれも小祝から真似したいポイントを解説してもらった。

フェアウェイでもボールが沈む洋芝。小祝さくらは小さい頃からこの芝でプレーしていることもあり、その対応力は抜群だった。最終日の16番ホール、ティショットはディボット跡に入ったものの、慌てることなくいつものリズムでスイング。見事にグリーンをとらえ、難なくパーをセーブした。この点について長谷川はこう話す。

 

「ボールが沈んでいると、クラブを上からドーンと入れたくなります。ディボット跡にあれば、尚更この意識が強くなりますが、インパクトが強くなると距離感が合わなくなってしまいます。小祝さんは、スイング中にクラブが体の正面から外れない上に、クラブがシャローに入ってインパクトゾーンが長いタイプ。薄く長いターフが飛ぶ理想的なインパクトなので、洋芝でも苦にならないのです」。

 

正確なアイアンショットには、体の正面からクラブが外れないことがポイントという長谷川。練習方法は、両ワキにタオルを挟む定番のドリルを挙げる。「タオルを挟むと、いつものようにクラブが上がらず、『窮屈だなぁ』って思いますよね。思い通りに振れないので、面白くなくて続かないんですが、この感覚が出る人は普段のスイングがバラバラなんです。つまり、『窮屈』と感じるのは正解の動きに近づいている証拠。クラブを動かすにはしっかり体を回さなきゃならない、この感覚をつかんでほしいんです」。地味な練習だが、小さなスイングから反復練習をすることが大切だ。

 

フェアウェイキープ率が低かったものの、パーオン率が高かった今大会の小祝さくらは、ラフからの上手さも際立った。長谷川は、その要因にフェードを打つようになったことを挙げる。「ラフでは少し上からクラブを入れますが、この時フェースが被ってしまうと、飛んだり、飛ばなかったり、飛距離が安定しません。フェードを打つようになり、フェースのターンを抑えられるようになったことで、ラフからのショットも向上したのだと思います」。

 

フェースのターンを抑えるには、うちわを使った素振りが効果的だ。「うちわがクラブフェースだと思って、フォローでその仮想フェース面が見えるように素振りをします。この動きでフェースターンを抑えられます」。

 

スイングの基本は、クラブを体の中心から外さないこと。またクラブを上から入れたいラフからはフェースを返しすぎないこと。この2つを実践して、今度のゴルフでパーオン率アップを狙っていこう。

 

プロフィール/長谷川哲也
深堀圭一郎プロのマネージャー兼キャディを務め、2年間国内外のツアーを転戦。2004年から本格的にゴルフインストラクターとしての活動を開始。DEPARTURE GOLFでレッスンする傍ら、最先端のゴルフ理論や指導メソッドを発信しているYou Tube「ゴルフレッスン動画のマイケルゴルフTV」のチェンネル登録者数は6万人を突破。

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