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ウー・チャイェンが「しゃぶしゃぶ」パワーで史上最高賞金額更新へ 台湾の“ピンクパンサー”も熱視線

2週連続優勝を視界に捉えたウー・チャイェン(写真左)(撮影:米山聡明)

<SkyレディースABC杯 3日目◇28日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>

ステップ・アップ・ツアー唯一の4日間大会は第3ラウンドが終了。激しい上位争いが繰り広げられているが、前週の「中国新聞ちゅーピーレディースカップ」で今季3勝目を挙げた19歳のウー・チャイェン(台湾)が、首位と1打差のトータル5アンダー・2位タイと優勝争いに絡んできた。

前半の2番パー4で唯一のボギーを叩くも、4番パー5ですぐに取り返すと、後半に入って13番パー4、15番パー5でバーディを奪う。勢いそのままに、上がりの17、18番を連続バーディでフィニッシュ。5バーディ・1ボギーの「68」でプレーを終えた。

チャイェンの現時点でのステップ獲得賞金は2120万8750円。昨シーズンにステップで破竹の5勝を挙げ、その後レギュラーツアーで一気にブレークした櫻井心那が積み上げた年間賞金額は、ツアー史上最高の2511万4100円。仮に今大会でチャイエンが勝てば、優勝賞金720万円を加算して昨シーズンの櫻井の記録を更新する。

「今日は自分のベストを尽くしました。ショットは良かったし、パットもいっぱい入って後半は本当に満足しています」という言葉通り、3日目は14回ドライバーを握りフェアウェイキープは11回。パーオンは18ホール中14回、パット数28回と上々の数字を叩き出している。

師匠である台湾出身のト阿玉(と・あぎょく)も会場にかけつけた。「(師匠が)来るって分かってプレッシャーはちょっとありましたけど、いいプレッシャーだったと思います」。阿玉は昭和の時代に大活躍したレジェンドプレーヤーだ。スラリとした細身体型で、ピンクのウェアを見事に着こなすことからついたニックネームは“ピンクパンサー”。パンチショットを武器に日本通算69勝、7度の賞金女王に輝いた。

チャイエンは、2番でこの日唯一のボギーを叩いたが「2番は3日間ともボギーでした。パターを外したんですけど、ショットは良かったです」とすでに気持ちの切り替えはできている。「明日は優勝のことはあんまり考えずに、今日と同じように自分のベストを尽くすだけです」。

更新が期待される獲得賞金額については「あんまり考えてないです」と意に介していない。今日は予選の2日間に比べ風も強く、難しいコンディションだったが「風は嫌いじゃない。対応できてます」と、こちらも自信たっぷりに答えた。

このところのお気に入りの和食は『しゃぶしゃぶ』で、特にごまダレが好きだという。「昨日もしゃぶしゃぶ食べました。最近しゃぶしゃぶにはまってます。今週は2回いきました。日本食の中で一番好きです」。笑顔で答えた19歳が、しゃぶしゃぶパワーでステップ4勝目、そして史上最高額更新を狙う。(文・土屋裕一)

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