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高校3年時にステップ・アップ・ツアー優勝を果たした平塚新夢 その後に想像を超えた苦労が待っていた

世界ジュニア制覇やステップ・アップ・ツアー優勝などの実績をもつ平塚新夢がマイナビネクストヒロインツアーに初出場 撮影・ALBA

<マイナビネクストヒロインゴルフツアー◇第1戦マイナビカップ◇練習日◇美浦ゴルフ倶楽部(6527ヤード・パー72)>
 
将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として、2019年に始まったマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、ALBA Net TV株式会社)。

今季は15試合予定されており、いよいよ6日から2日間の日程でマイナビネクストヒロインツアー第1戦「マイナビカップ」が始まる。
 
中学3年生のときの「世界ジュニアマッチプレー選手権」優勝、高校3年時のステップ・アップ・ツアー「静ヒルズレディース」を優勝した平塚新夢(あむ)の初参戦に注目。
 
宮城県出身の平塚は、高校入学の年に茨城県へ移住。卒業後は宍戸ヒルズCCで研修生をしていた。今はレッスンなどをしながらプロテスト合格に向けて励んでいる最中だ。そんな平塚だが、10万人に1人が発症し、国の指定難病に認定されている成人スチル病という持病を抱えている。
 
持病が発覚した当時について平塚は「高校卒業して1回目のプロテストでは1次は受かったんですが、2次の前に群発頭痛になってしまい棄権しました。狂うぐらい痛かったですね…。ただ、その年のQTだけでもなんとか頑張ろうと思い出場して1次は通過したんです。だけど、2次の前に今の持病が発覚して、プロテストもQTも1次通過で終わってしまいました。次のテストまでにはと思って頑張ったんですけど、持病発症から1年も経ってないから、厳しくて落ちちゃった感じです」と、明かしてくれた。
 
退院後、競技完全復活はそう簡単にはいかなかった。復帰にあたってとくに苦労したのは、治療のために飲んでいた薬の副作用。
 
「飲んでいる薬の副作用で10キロ以上太っちゃって、見た目も変わったし、肩回りが太ってスイングの感覚が全然違くてキレが追いつかないというところはありました。薬を飲んでいる間は筋肉が減って脂肪が増えちゃうので、トレーニングをしてもあんまり変わらないから、その状態に合ったスイングでなんとかやっていた感じでした。最近は薬の量も減ったので、当時ほど薬の副作用の影響はで出なくなってきてはいます」と、話す。
 
今大会がマイナビネクストヒロインゴルフツアー初出場の平塚。ネクストヒロインツアーについて聞いてみると「プロ資格を持たない私たちの立場だと試合の場が少ないので、こういった試合があって争える機会があるのはとても嬉いことです。プロテストだけが試合だと、ソワソワしてしまうので日頃から試合勘とかもあったほうがいいし、試合の感覚でゴルフすることはとても大事だなと思うので。それにカメラが入っていて中継などもあり、いい感じのプレッシャーの中でできるというのは有難いなと思います」と話した。
 
入院している間にJLPGAツアーの出場規定が変わってしまった。ツアー出場の機会を失うという障害を乗り越え、今なお奮闘し続ける平塚。今大会で初出場初優勝を目指し、明日からの2日間に挑んでいく。(取材/文・高木彩音)

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