キャディ付きラウンドがあなたを“グッドゴルファー”に導く

猿島カントリー倶楽部(茨城県)でキャディをつとめる桑川みどりさん(左・25年)宇と都木貴子さん(右・歴32年)(撮影:ALBA)

昔のように先輩や上司がラウンドの作法を指南するような時代は過ぎ去り、気兼ねない仲間とセルフでのプレーが主流となったいま、マナーやプレー速度を速める所作も、危険な行為を回避する術など、ラウンドをするうえで必要とされる知識が不足しているゴルファーも多い。

こんなことをいうと「そんな堅苦しいことばかり言っているからダメなんだよ。ゴルフは自由でいいじゃない」というひともいるだろう。だが、そのせいでコースでトラブルに遭ったり、嫌な思いをするのはゴルファー自身。だれも教えてくれない現状では致し方ないことかもしれない。そんな時代だからこそ、キャディ付きプレーがいま最注目されている。
 
そこで、今回は猿島カントリー倶楽部(茨城県)でキャディをしている宇都木貴子さん(歴32年)と桑川みどりさん(歴25年)は日頃から多くのゴルファーと接している。そんな二人に“キャディさんの声”を聞いてみた。
 
初心者ゴルファーに対して「最初に分からないことを何でも聞いて欲しいですね。私たちがプレーの進行も含め、バンカーならしやボール探し、クラブ選択などさまざまな面でサポートしますので。ただしスイングのレッスンだけは専門家ではないため、お答えするのは難しいとは思います(笑)」と宇都木さん。
 
基本的にキャディさんはゴルファーが打ったボールを見ているので、ショットを曲げて林に入れたり、深いラフに行くとキャディさんがボールを探してくれる。もし可能ならばキャディさんの探し方を参考にするとセルフプレーのときに役立つ。そして、脱出に便利なゴルフクラブを持ってきてくれるので、“林から出すときのクラブ”を知ることもできる。
 
さらに、グリーンの傾斜やラインも熟知しているので、例えば、キャディさんに言われた通りにパッティングをすると、その経験がフィードバックされパターの上達を促してくれる。これなら進行のプレーもスムーズになり、プレーの遅延とは無縁だ。
 
その一方で、「上級者は、各々プレースタイルがありますから、キャディ側が合わせます。基本は邪魔にならないように動き、聞かれたことに答える形です。なかには黙々とプレーするのが好きな方もいますから」と上級者やベテランに対しては接し方が大きく異なると話していた。
 
「ひとつ言えるのは、キャディを上手く使ってほしい…という点です。私たちはコースやグリーンを熟知していますから、求めている情報を欲しいタイミングで聞いていただくのが一番だと思います。もちろん会話しながらのプレーが好きなら、冗談を交えつつ楽しくラウンドもありです」と桑川さん。
 
変幻自在のアドバイザーであるキャディさん。セルフによって、より安い金額でプレーできる恩恵は捨てがたいが、キャディ付きラウンドには計り知れないメリットがある。一度は経験しておいても損はない。

■的確なクラブ選びに加え忘れるものを防いでくれる
クラブを選んでくれるのも初心者にはありがたい。キャディが管理するため、クラブ忘れも防いでくれる。

■プレー中のリスクヘッジ
隣のホールにボールが飛んでしまったときに「フォア―」の掛け声をしてくれるため打球事故を防げる。また、事故や予期せぬ体調不良、さらにプレー中のさまざまなアクシデントが発生した場合など、迅速に対応してくれる。

■バンカーならしや目土をしてくれる
初心者は、バンカーショットの後に砂をならす余裕がないケースも多い。また、目土やピッチマーク直しなども随時行ってくれる。

■雨の日はキャディさんのおかげでプレーに集中できる
雨の日は傘を差したり、クラブやボールを拭く回数が増えるなど、プレーヤーの負担が多い。キャディがいれば、それらも軽減される。雨の日でも負担が少なく楽にプレーができるのだ。

■グリーンのラインを読んでアドバイスしてくれる
グリーンを熟知しており、ラインや速さを読むのが的確。天候や芝の状態なども踏まえアドバイスをしてくれる。

■バンカーやOBの位置、残り距離などを教えてくれる
キャディがいるコースなら、初めて訪れた時でも、打つ前にハザードやOBの位置などを教えてくれるため攻略法をじっくりと考えられる。

関連記事