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「ずっとそこだけを考えてた」 宮田成華が貫いた“優勝”への強い意思

初優勝は逃したが、宮田成華にとって大きな1試合になった(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 最終日◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

ウェイティングから出場した宮田成華が、最後まで初優勝へ粘りを見せた。トータル8アンダーに終わり、優勝した櫻井心那に2打及ばなかったが、次につながる大きな4日間になった。

2020年の「スタンレーレディス」以来となる3年ぶりの最終日最終組。ただ、この時は台風の影響で大会2日目が中止になり、36ホールの短縮競技になっていたため、実施的には最終組入りは初ともいえる。「朝もしてましたし、3番くらいまでは緊張してたかな」というのも無理はない。2番でバーディが先行したものの、直後の3番で帳消しになるボギーを叩くなど、すぐには波に乗り切れない。そこからは2バーディを加えたが、終盤の15番でくやしいボギーが来てしまった。そして2打ビハインドで迎えた最終18番。その2打目が決まらなかった瞬間、初優勝の可能性はついえた。

3日目のラウンド終了後、コーチの坂詰和久氏を現地に呼んだ。「ティショットで気になるところとかを朝見てもらいたくて。だいぶ安心してスタートできました」。万全を期し、あとは大事な一日でも、曲がっても振り切るという姿勢を崩さない。フェアウェイヒットは8ホールだが、パーオンは14ホールとラフからでも積極的にグリーンを狙った。その様子を近くで見ていた同組の藤本麻子が、「気持ちのいい、魂のこもった球を打ってくる」と刺激を受けるほどの気迫だった。

ラウンド中はボードは見ず、まずはもうひとりの同伴競技者だった岩井明愛との差を追いかけ続けた。もちろんその道中で考えていたのは、「ずっとそこだけを考えてやってました」という“優勝”の2文字のみだ。「あと2、3個は決めたいバーディパットもあった。それを外していたことで流れがこなかったのかなと思います」。勝利に足りなかったものを実感できている。

2週前に行われた第1回リランキングは65位と、今後も推薦やウェイティングなどで出場機会をうかがう位置というのは変わらない。ただ、今回の4位で得た105ptにより、暫定リランキングで25位まで急浮上。9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」後に行われる第2回リランキング突破に向けても、大きなポイントになる。

ただ「もちろん自信にはなります。スタート前に2ケタ(アンダーに)乗せないと優勝はできないと思ってたのに足りなかったので、ちょっと悔しい一日です」という言葉からも分かるように、ここから見据えるのは、この日のラウンド同様に勝利のみ。強気を貫き、再び訪れるチャンスを待ちたい。

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