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石川遼はショット回復に「一週間で一番良かった」 “完璧”イーグルは「ナイスミス」

ショットへの手応え十分。石川遼が最終ラウンドで納得の「67」。(撮影:福田文平)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 最終日◇2日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>

石川遼はきのうの3日目、ドライバーの安定感とショートアイアンの精度を欠き、35位タイに順位を下げた。一晩が経ち、最終日は「スイングのタイミングは修正できて、一週間で一番良かった」と、1イーグル・5バーディ・1ダブルボギーの「67」。4日間で一番いいスコアを叩き出し、トータル11アンダー・24位タイで大会を終えた。

振り返れば、前週の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」でも最終日に「64」と一番良いスコアを出した。「先週も今週も最終日だけみたいな感じになっているんですけど、悪いニュースではないので」と苦笑いを浮かべる。

きょうは10番からスタートして、12番でダブルボギーと序盤からつまずいた。しかし15番パー4で1つ取り返すと、前半最後の18番パー5では圧巻のプレーを見せる。ドライバーでのティショットは高いストレートボール。フェアウェイど真ん中を打ち抜いた。グリーンの左手前には池が待ち構えるロケーションで、ピンは池のプレッシャーが一番かかる左端にきってあった。

残り257ヤードから3番ユーティリティで放った会心の当たりは、グリーンセンターからドローの軌道を描いてピンにどんどん近づいていき、右2メートルにつけるスーパーショット。このフックラインをしっかり沈めてイーグルを奪い、こぶしを握った。

このセカンドショットについて石川は「いいショットを打ったら右手前10ヤードに乗るようなイメージで打ちました」という。どういう意味なのか。「そこからつかまると距離も出てピンまで届く。(今回は)ナイスミスという感じです。あれを始めから(つかまえるように)やりにいくと、もうちょっとかかったときに池に入る」。

長いクラブでピンを狙えば、ミスしたときのリスクが高い。だからあえて、グリーンセンターを狙った。ナイスショットならグリーンに乗るし、ミスしてもどちらかだけに曲がるように打てば、ピンに近づいていく。石川が18番でみせたコースマネジメントは片山晋呉も行っている。

3日目に「課題」と口にしていたショートアイアンの精度に関しても、「初日、2日目もドライバーは良かったんですけど、そのドライバーで良かったタイミングをショートアイアンに置き換えたとき、ショートアイアンは左に、左に行っていた。3日目はさらにそれを崩してドライバーまで悪くなっていた。だけど、きょうは戻したというよりも、さらに良くなった状態でラウンドできた」と話す。その証拠に3日間で4つしか獲れていなかったパー4でのバーディが、最終日だけで3つも獲れている。

「全米オープン」を挟んだ石川の6連戦もこれで終了。国内男子ツアーは3週間のオープンウィークとなる。「がっつり打ち込みたい」と、今のいい感触をしっかり体に染みこませて、4週後のメジャー「日本プロゴルフ選手権」に臨む。(文・下村耕平)

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