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“聞き上手”でパット改善、26歳・野呂涼が初のトップ10入り シード獲得圏内に浮上し「可能性出てきた」

野呂涼が初シード獲得へ今季はじめてのトップ10入りを決めた(撮影:佐々木啓)

<ACNチャンピオンシップ 最終日◇8日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7295ヤード・パー72>

昨年の国内男子下部ABEMAツアー賞金ランキング15位内の資格(後半戦はリランキング14位の資格)で、今季レギュラーツアーに参戦している26歳の野呂涼が、2019年のプロ転向後、初のトップ10入りを果たした。

レギュラーツアーでは「過去最高のフィニッシュ。この終盤の時期で出場できる試合が残り少ないときに上位に来られたのはとてもうれしいですし、来週は日本オープンがあるので、その前に自信がつけられました。いい1週間だったなと思います」と清々しい笑顔で喜んだ。

20位タイで迎えた最終日は1イーグル・5バーディ・1ボギーの「66」で回り、トータル12アンダー・5位タイ。「全部が落ち着いていました。リズムもそうですし、メンタル面も落ち着いてた。危ないシーンもありましたが、途中からバーディがきて、いい流れに乗り始めてからも、いい緊張感をずっと保ったままプレーができたかなと思います」。

今季はこれまで14試合に出場し、予選通過が7回、トップ10入りはなかった。今回の躍進の要因はパッティングにあったという。「先週までずっと入らなかったのですが、今週の2日目から入るようになってくれた」と話す野呂。“聞き上手”に徹することでパットが決まるようになった。

「周りのひとにパットの考え方を聞いたり、相談していました。そしたら『入れにいくんじゃなくて、寄せにいけば? そのほうが意外と入るんじゃない』と言われて、試したらそのほうがタッチも自然に合うし、タッチが合っていれば、自然とカップに吸い込まれるよねっていう考え方になりました」。先輩、同級生、後輩など同じツアーで戦う選手に相談し、パッティングの悩みを解決。そして好成績につなげることができた。

今大会が始まる前までは賞金ランキング81位と厳しい位置にいたが、今週の結果で60位(約968万円)まで浮上。上位65位までが得られる来季のシード権争いのなかで、65位以内に入ったのは大きい。次週行われる国内メジャー「日本オープン」も最終予選を通過し出場を決めており、いい流れで臨めそうだ。

賞金総額は2億1000万円(優勝4200万円)と上位フィニッシュができればさらにランキングを伸ばすことも可能。「チャンスをつかめる可能性は出てきたので、今回の成績をうまく生かしていきたいなと思います」とメジャーを目前に自信をつけた野呂。来季レギュラーツアーにフル出場できるチャンスをつかみに行く。(文・高木彩音)

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