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山口里緒が初志貫徹で念願のネクストヒロインツアー初優勝「パーオン2パットのゴルフを変えないと決めていた」

マイナビネクストヒロインゴルフツアー参戦3年目にして、山口里緒が悲願の初優勝を飾った(撮影:米山聡明)

<マイナビネクストヒロインゴルフツアー◇第6戦 PGMシリーズ Cool Cart CUP◇28日 2日目◇PGMマリアゴルフリンクス(千葉県)◇6327ヤード・パー72>

マイナビネクストヒロインゴルフツアー第6戦「Cool Cart CUP」が終了。同ツアー参戦3年目にして、山口里緒が悲願の初優勝を飾った。「周りを気にせず、自分のスタイルを貫きました」と語ったが、傍から見れば到底そんなことができる状況ではなかった…のだが。

最終日後半から、スコアを前半に1つ伸ばした和久井麻由が最終組に加わった(同ツアーでは前半と後半でスコアにより組み替えが行われることがある)。「正直、勢いがあってかなりプレッシャーでした」と山口が話したように、和久井は13番まででさらにスコアを3つ伸ばし、トータル7アンダーで一時単独首位に立っていた。一方の山口は、前半1つスコアを伸ばしたものの、13番で痛恨のボギー。和久井を追いかける展開となった。

普通であれば、どうしたって焦る状況。しかし「今日はどんな結果になっても、パーオン2パットのゴルフを変えないと決めていた」と、山口。理由は「第5戦が頭によぎった」からだという。第5戦で山口は、18番でスコアを伸ばそうと“自分から”攻めに行った結果ボギーを叩き、プレーオフ進出を逃していた。

あれだけ追いかけられると、自分もエンジンをかけないといけないと思った」ようだが、前回の失敗を教訓に冷静に自分のゴルフを貫き、チャンスを待つと決心したという。

15番で和久井が近距離のパーパットを外し、首位タイに。そして並んで迎えた18番では、和久井のティショットはバンカーに。セカンドもハーフトップしてグリーンオーバー。“自分から”攻めない結果、山口にチャンスが巡ってきた。

しかし、簡単には終わらない。18番のティショットをフェアウェイに置いた山口だが、第5戦でミスをしたときと同じような距離が残った。さらに、この日ボギーを叩いた13番でも同じような距離。どれも「同じクラブ」だったという。悪いイメージが頭を埋めつくすなか、「ピンが左だったので、ピンの右を向いてしっかりと打ち出すだけ。パーオンして2パットすればいい」と腹をくくった。

腹をくくった一打は、ピンから2メートル弱の位置にパーオン。本人も「決めたかった」と話すバーディパットを外し、2パットでパーセーブ。最後まで自分のゴルフを貫き通した結果つかんだ初優勝だった。

「今までいろいろなスタイルを試してきたんですけど、ようやく落ち着けそうです。本当に自信になりました」というように、今後のゴルフの方向性も定まった。来週、富岡倶楽部(群馬県)でのプロテスト第1次予選を控える山口。「どんなことがあっても、3日間このスタイルで戦い抜きます」と、宣言。年に一度の、プロゴルファーへの狭き門に挑む戦いがもうすぐ始まる。(文・杉本夏希)

※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。

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