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クアラルンプールの死闘は延長“9回”決着 米女子ツアー史上2番目、前代未聞の3時間半

激闘にピリオドを打ったセリーヌ・ビュティエ。疲れ切った表情で喜びを噛みしめた(撮影:GettyImages)

<メイバンク選手権 最終日◇29日◇クアラルンプールG&CC(マレーシア)◇6596ヤード・パー72>

全組がホールアウトしたのが、現地時間の午後2時20分前。アタヤ・ティティクル(タイ)が18番でバーディパットを沈め、先にトータル21アンダーで並んでいたセリーヌ・ビュティエ(フランス)に並んだ。

灼熱のマレーシア戦は延長が決定。優勝を決めるプレーオフが18番パー5で始まった。1ホール目でティティクルがトラブルを迎えたが、二人ともパーで2ホール目へ。ビュティエはフェアウェイ、ティティクルは右ラフにティショットを運んだ。先にビュティエがセカンドを打った瞬間、午後2時48分に今度は雷雲接近による中断を告げるホーンが鳴った。

直後、大雨と雷がコースを襲い、1時間半の中断。再開したのはなんと午後4時20分。それもまだ雷の音が聞こえる状況での強行再開だった。

再開後の2ホール目も分けて、勝負はそこから18番と15番パー3を交互に使う。がっぷり四つの争いは、“これを決めれば”というウィニングパットを互いに決められず。決定打に欠き、気づけばプレーオフは9ホール目に突入していた。ここでパーとしたティティクルに対し、ビュティエがついにバーディを奪い決着。時計の針は午後5時55分をさしていた。

「終わって良かった。正直に言うと、こんなに長くなると思わなかった」。喜びよりも疲労感が漂うビュティエは、大きくため息をついて死闘を振り返った。ティティクルは「ぐったり。だけど、今までで一番のプレーオフだった。セリーヌがわたしより上だっただけ。いい勝負だった」。すがすがしい表情で勝者をたたえた。

米国女子ツアーの最長プレーオフは51年前に記録された10ホール。今回の9ホールは2012年の「キングスミル選手権」以来、史上2番目の長さだった。中断があったとはいえ、最終組ホールアウトから3時間半の激闘。語り継がれる大勝負となった。(文・高桑均)

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