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優勝戦線から痛恨の2ダボ、菊地りおが「本当に勝ちたかった」と涙を流した理由

5バーディ・2ダブルボギー「71」の1アンダー・7位タイで終えた菊池りお(撮影:福田文平)

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇第13戦 Sky ALL Sky Ladies Cup◇27日 本戦(一日競技)◇富里ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6321ヤード・パー72>

マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第13戦「Sky ALL Sky Ladies Cup 」に出場した23歳・栃木県出身の菊地りお。結果は5バーディ・2ダブルボギー「71」、1アンダー・7位タイで大会を終えた。

「勝ちたかった、本当に勝ちたかった…。悔しい。うわあ、めっちゃ悔しいです」。ホールアウト後、アテスト会場で涙を流し、言葉を詰まらせた。頭の中に浮かぶのは15番、16番の連続ダブルボギー。特に、15番が菊地のメンタルを狂わせた。

前半9ホールを2アンダー・3位タイの位置で後半へ折り返した。「グリーンとの相性がいいんです。パターも今週新しくして、試合では初めて使うんですけど、ストロークしやすくてパットが調子いいんです」と、長い間使用していたピン型のパターからツノ型に変更したのも奏功。「これで耐えられるし、本当に変えてよかったです」と話していた。

パッティングが好調なおかげで、後半14番までさらに2つスコアを伸ばし、一時は4アンダー・首位タイまで浮上。「難しいから油断できないと思って、めっちゃ集中していました」と、残り4ホールでさらにスコアを伸ばそうと気を引き締めた直後の15番パー4で悲劇が起きた。

ティショットはフェアウェイど真んなか。「チャンスにつけたいと思ったんです」と、セカンドからライン出しショットでピンを攻めたが、ボールは左方向へ飛びグリーン左手前のガードバンカーに入った。「足を入れた感じはそんなに硬くなかった」と違和感はなかったが、クラブヘッドは砂に入りきらずハネてしまい、ボールはグリーンを越えて向かい側のラフへ。アプローチを寄せきれず、2パットのダブルボギーを喫した。

「めっちゃ頑張って耐えて4つまで伸ばしたのに。後半、やっと2つ伸ばせたときにダボがきて、『うわ、ダボってめっちゃきついんだな』って感じました。耐え抜いていたから余計に…」と、目に涙を浮かべながら遠くを見つめた。そして、「富里、大好きなんです」と口にした。2019年から同ツアーに出場している菊地のデビュー戦「Sky Thank you Cup」が、ここ富里ゴルフ倶楽部(千葉県)だったのだ。

「初めてのマイナビの試合だったので、思い入れがあるんです。しかも、今年で営業を終えてしまう。だから、絶対勝ちたかったんです」と、今年の12月31日に閉鎖する同ゴルフ場へ “優勝”という結果でお礼をしたかったという。

「これがゴルフですよね。でも、久しぶりに試合でゴルフができた感じ。本気で悔しいと感じることができました」と、最後は前を向いた。JLPGAプロテスト第2次予選で敗退したあと、なかなかゴルフに気持ちが入らなかった菊地。今大会は新たな一歩を踏み出す試合となった。「次の試合でポイントを稼いで、最終戦に出ることが目標」。マイナビポイント(MP)上位30名が出場できる最終戦に出場するため、現在MP37位(1004.34pt)の菊地は次戦で最低でもトップ10入りを目指さなければいけない。

次戦に気持ちを切り替え、最後は涙ぐみながらも笑顔を見せて、練習グリーンに向かった。(文・高木彩音)

※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。

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