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飛距離“最下位”の青木瀬令奈が飛ばし屋有利のコースを攻略「セルフマネジメントができた」

通算5勝目を挙げて満面の笑みを見せる青木瀬令奈(撮影:上山敬太)

<大王製紙エリエールレディス 最終日◇19日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>

首位と2打差の2位から出た青木瀬令奈が5バーディ・1ボギーの「67」をマーク。トータル13アンダーで逆転優勝を果たし、3月の「Tポイント×ENEOSゴルフ」に続く今季2勝目、通算5勝目を挙げた。「今季こそは複数回優勝を目標に取り組んできた。寒くて苦手な春先と秋口で優勝することができて、成長を感じました」と会心の一勝となった。

前日の3日目が悪天候のため中止になり、54ホールの短縮となった今大会。その際に「最後まで淡々とプレーをしたい」と話していたが、その言葉の通り終始冷静なゴルフを展開した。「これまでの優勝と違うのは、しっかりと自分の状況を把握した中で、終盤の17番でバーディチャンスにつけて、バーディを獲ることができた。(重圧のかかる)最終18番もパーパットを沈めることができて、“セルフマネジメント”が良くできていたと思います」と自身の成長を感じることができた。

今大会は、一昨年が原英莉花、昨年は藤田さいきが優勝し、“飛ばし屋”が有利なコースとされていた。しかし、青木の3日間での平均飛距離は、予選通過者で最下位の222.6ヤード。飛ばしだけがゴルフではないことを証明した。

「セルフマネジメント、セルフコントロールでそれ(飛距離)を凌駕するようなプレーができれば、3日間、4日間の中で一番いいスコアを出すことが可能なんじゃないかと思っている。同じプレースタイルの方がすごく勇気をもらえたという話をしてくれるので、その方たちの希望になれればいいなと思いながらプレーをしています」と話す。

今大会の優勝で節目の5勝目を挙げ、“封印”していた飲酒を解禁するという。「アルコール業界の方とプロアマをご一緒させてもらった時に、2日間はアルコールが体内に残るって話を聞いて、じゃあこれは飲まないほうがいいなという結論になって禁酒をしていました。ここに至るまでたくさん我慢をしてきたので、きょうはお酒を飲みたいですね」と束の間の勝利の美酒に酔いしれるようだ。

今後の目標はメジャー大会での優勝。昨年5月の「ワールドレディスサロンパスカップ」では猛追するも山下美夢有に及ばず、2位に終わった悔しい思い出もある。

「以前に宮里優作さんと合宿させてもらった時に、『そろそろメジャーで勝てるレベルになってきたんじゃないか』と言ってもらえた。早速翌週は、メジャーのJLPGAツアー選手権リコーカップですけど、苦手意識が強い。リベンジをできるように頑張りたい」。ビッグタイトルへ闘志を燃やした。(文・神吉孝昌)

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