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新メジャー女王が“普通の池”に歓喜のダイブ ウミヘビも目撃したけど「アドレナリンが出まくって飛び込んじゃったわ」

このあと、飛び込みます!(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

<シェブロン選手権 最終日◇23日◇ザ・クラブatカールトン・ウッズ(米テキサス州)◇6824ヤード・パー72>

泣いた、そして飛んだ! トータル10アンダーで並んだエンジェル・イン(米国)をプレーオフのすえくだし、メジャー初優勝を果たしたリリア・ヴ(米国)。勝負を決めるバーディパットを決めると、手で顔を覆った。すぐに仲間たちにシャンパンをかけられその涙は流されたが、さらに勝利の余韻にひたる間もなくギャラリースタンドから「GO!GO!」のかけ声が飛び交う。

これは大会名物となっている、優勝者が池にダイブすることを促す声。それにのせられるように、リリアとそのチームは18番グリーン横に用意されたジャンプ台へと歩みを進める。そしてともに戦ったキャディらとともに、大胆に池に飛び込んだ。

「練習ラウンドの時から、『勝ったらこの池にジャンプするんだな』って思った。でも優勝したら、もちろん飛ぶって決めていたわ」

このダイブは、昨年まで米カリフォルニア州・ミッションヒルズCCで行われていた今大会の名物。1988年大会を制したエイミー・アルコット(米国)が飛び込んでから恒例となり、『ポピーズポンド』の愛称で親しまれてきた。それが会場を米テキサス州のザ・クラブatカールトン・ウッズに移しても継続されたわけだが、本当に行われるかは疑問視されていた。

その理由は『水質』にある。ミッションヒルズCCのポピーズポンドは池を区切り、そのなかはプールのようにキレイな水が用意されていた。しかし今回は、どう見ても常設されている“ただの池”。飛び込むあたりの水中には、大きな生物が侵入しないようにネットで仕切られているというが、ウミヘビなどがいるという噂も聞こえてくるほどで、お世辞にもキレイとは言えない。実際、リリアはこんな話もした。

「昨日か一昨日だったかしら、17番の池でウミヘビを見たの。きょうはなんとなくそんなことは考えていたけど、感情が高ぶり、アドレナリンが出まくって飛び込んじゃったわ」

メジャー制覇のよろこびが、いかに特別なものかが伝わってくる。表彰式にはマスターズのグリーンジャケットならぬ、“ホワイトバスローブ”を着用して参加。今年2月にタイで行われた「ホンダLPGAタイランド」でツアー初勝利を挙げた25歳は、2つ目に手にした大きなトロフィーに口づけした。「今回は両親も見に来てくれていたし、この優勝にはとても意味があるわ」。2023年4月23日は、テキサスに新たなメジャー優勝者と“新ポピーズポンド”が誕生した日になった。

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