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ゴルフクラブのバランスとは? 基礎知識&計算から目的と調整方法まで解説!

1.ゴルフクラブのバランスとは“振りやすさの指標”

ゴルフクラブのバランスとは、“振りやすさの指標”といわれています。クラブ総重量に対して、どれくらいヘッドが重いかを示したものであり、スイングやワッグルしたとき、バランスによって振り心地が変わるのです。一般的に、バランスが重くなればなるほど、ハードヒッター向けとなっています。スイングバランス、スイングウェイトともいわれています。

「D0」を基準としたクラブバランスの見方

クラブのバランスはD1やD2などの数値で表されますが、これはクラブの長さと重量から導き出されます。基準となる値は213.5。これをD0とし、1.75増減するごとに1ポイント増減してA0からE9まで存在します。一般的に売られているクラブは、C1からD5くらいまでのバランスで作られています。

C7

C8

C9

D0

D1

D2

D3

208.25

210

211.75

213.5

215.25

217

218.75

1.75ずつ減少←

→1.75ずつ増加

クラブバランスを確認する方法

バランスの数値はメーカーのカタログなどで確認できるほか、ゴルフショップで測ってもらえる場合もあります。まずはネットで自分のクラブを検索したり、ショップで店員さんに相談したりするといいでしょう。クラブバランスの測定器は簡易タイプが7,000円程度で購入できるので、自分で測ってみるのも一つの手です。

「クラブバランスは気にしなくていい」って本当?

クラブバランスは気にしたほうがいいものの、こだわりすぎる必要はありません。しかし、なるべく近いバランスでそろえると振り心地が近くなり、どのクラブでも同じようにスイングできるでしょう。

バランスが極端に異なるクラブを使うと、スイングのタイミングが取りづらくなる可能性が高くなるため、クラブ選びの際に全く気にしないということは避けたほうがいいでしょう。

2.クラブバランスを調整する3つの方法

クラブバランスの調整として、主に以下の方法があります。

・ヘッドやシャフトに鉛を貼る
・グリップの重量を調整する
・クラブの長さを調整する

バランスを調整する際のポイントは、自分のスイングテンポや切り返しのタイミングに合わせることです。スイングテンポがゆっくりな場合はバランスを重めに、スイングテンポが速い場合は軽めにすることが一般的です。

プレーヤーの特性

向いているバランス

・スイングテンポがゆったりしている

・力がある

重め

・スイングテンポが速い

・力の弱いシニアやレディース

軽め

クラブのバランスが重い場合は、パワーとヘッドスピードが要求されます。それを満たせないまま重すぎるクラブを振ると、スイングの抵抗が大きすぎて、ダフリや振り遅れのミスが出やすくなってしまいます。一方でバランスが軽すぎる場合は、抵抗がなさすぎて力みや打ち急ぎにつながったり、姿勢が緩んでチョロやトップなどのミスを誘発したりします。

一気にポイントを増減させず、段階的に試しながらほどよい振りやすさを見つけましょう。

クラブバランスの調整方法1:ヘッドやシャフトに鉛を貼る

クラブに鉛を貼る方法は、自分でできる最も手軽な調整方法です。ゴルフ用の鉛テープは2.5gが8個入りで400円程度と安価な上、貼る位置や重さの微調整が可能ではがせば元通りにもできるため、初心者にも取り入れやすい方法です。

ヘッドに鉛を貼る場合、1gの鉛でバランスは0.5〜0.6ポイント増加します。同じ重さの鉛でも、クラブが長いほどバランスの増加量が多くなる点には注意してください。

また、鉛を貼る位置によって振り心地が変化し、得られる効果も変わります。鉛の貼る位置による違いについては「【Dr.カタオカのゴルフメンテナンス】ゴルフクラブの鉛の貼り方をおさらい 自分仕様の1本に仕上げるコツ」で紹介していますので、参考にしてください。

シャフトの場合は、グリップ側に鉛を貼って振りやすくし、振り抜けをよくする効果が期待できます。ただし貼りすぎるとタイミングが取りにくくなるため、5g程度を限度にしたほうがよいかもしれません。どちらに貼る場合も、スイングが乱れないよう最小限度から始めて、徐々に鉛を増やすようにしましょう。

ルール違反に注意!

ヘッドに鉛を貼る場合には、ルール違反を犯さないよう注意してください。

【違反例1】クラブのフェース面に貼る
【違反例2】ラウンド中に鉛の位置を移動させる(はがす、貼る、ヒールからトゥに移動etc)

鉛を使うこと自体はゴルフのルール違反にはなりませんが、上記のような行為は禁止されており、競技失格になるなど厳しく処置されます。

ちなみに、ルールに適合した鉛がプレー中に意図せずはがれた場合、クラブの損傷として扱われます。ペナルティなしでそのままプレーを続行するか、同じ鉛を同じ位置に貼る修理も可能です(規則4.3a)。

クラブバランスの調整方法2:グリップの重量を調整する

グリップを交換したり鉛などを貼ったりして、グリップの重量を調整する方法もあります。グリップは1gで約0.2ポイント増減しますが、大まかには以下のように変化します。

グリップ

バランス

軽くする

増加

重くする

減少

交換する場合、グリップの本体価格が1,000円〜2,000円程度で、ゴルフショップの工賃は一般的に300円程度です。ショップによっては作業日数が数日かかる場合もあるので、時間的に余裕があれば依頼してもよいでしょう。バランスを変えるためには、元のグリップの重さを把握してなければいけません。ネットで事前に自分のグリップの重さを測ったり、ショップのスタッフに聞いてみたりするといいでしょう。

グリップエンドに鉛を貼る場合は自分で手軽にできますが、重さを足してバランスを減少させる効果しかありません。増加させたい場合はほかの方法を選択しましょう。ヘッドに貼る場合と同様、振り心地を確認しながら徐々に重みを増やしましょう。同様の効果を目的に、グリップを外してシャフトの端に鉛や粘土をつけるやり方もあります。グリップエンドに専用の工具で穴を開け、異なる重さのウェイトを交換できるようにする製品なども販売されています。

クラブバランスの調整方法3:クラブの長さを調整する

クラブの長さを変えてバランスを調整する方法はいくつかありますが、基本的には現状の回復が難しくコストも高めで、自分で行うには高難度かもしれません。

主な調整方法は、シャフトを交換する方法と、延長部材で延ばしたりカットしたりする方法です。長さや重さを変えることで、バランスは以下のように増減します。

シャフト

バランス

長くする

増加

重くする

短くする

減少

軽くする

素材により数値に開きが出ますが、1インチの伸縮でバランスは4.9〜6.6ポイント変化します。ただし、シャフトが短くなると元より硬くなるなど、長さの変化による感覚の違いが数値以上に感じられる可能性があります。

なお、クラブの長さには明確なルールがあります。60度法で計測して、全長18インチ(0.457メートル)以上であること、またパターを除いて全長48インチ(1.219メートル)以下でなければなりません。また、2022年にドライバーの長さを46インチ以下に規制するローカルルールができ、多くの競技で採用されています。プライベートであれば問題ありませんが、競技に出る場合は長さに注意してください。

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