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難病を乗り越え初シード、かつて石川遼を抑えて勝利した実力者も【初賞金シード選手紹介】

小浦和也は難病を乗り越え初シード入り(撮影:米山聡明)

2024年の国内男子ツアーがいよいよ3月28日に開幕する。初賞金シード選手として今シーズンに挑む選手たちを紹介していく。今回は小浦和也とヤン・ジホ(韓国)だ。

■小浦和也(こうら・かずや、30歳/2014年)

1993年3月25日生まれの30歳。故郷宮崎県の日照学園高校から専修大学に進学し、「朝日杯日本学生」で2回の優勝や「日本オープン」2年連続ローアマなど輝かしい実績を残した。しかし、プロ入り後は血小板の減少で、血が止まらなくなる持病「突発性血小板減少性紫斑病」が悪化。一時はプロ活動を断念し、治療に専念していた。

「薬(ステロイド系)を飲むと、副作用で体がだるく疲れやすくなるんです。1日頑張ったら1日休まないといけない感じ。辛かったのが、手や顔のむくみで、特に手がむくむと、クラブを握るフィーリングというかイメージがなくなっちゃうんです。一時は『ゴルフ辞めようか』って思った時期もありました」と苦しかった当時を振り返る。

それでも2023年は「ASO飯塚チャレンジドゴルフ」で初トップ10となる6位に入るなど、体調が安定するにつれて結果も出始めた。賞金ランキング上位65名に付与されるシード権だが(昨年は義務試合数不足の選手を除いて賞金ランキング68位まで)同ランキングを61位で終え、待望の初シードを獲得してみせた。

現在の妻である華菜さんとは2020年に結婚。22年には第一子となる息子・清太郎くんも授かり、家族を支える父親となった。

■ヤン・ジホ(韓国・ソウル出身、35歳/2008年)

2005年には日本開催の「ホンダ・インターナショナル・ジュニアゴルフ選手権」で石川遼らを抑えて優勝した実力の持ち主。日本参戦初年度の2012年には、下部ツアー開幕戦「Novil Cup」で初優勝を挙げた。活躍を期待されたが、なかなかレギュラーツアーでは実力を発揮できていなかった。

しかし、日韓共催の新規大会である2023年「ハナ銀行インビテーショナル」で中島啓太とのデッドヒートを制し、記念すべき第1回大会のチャンピオンに輝くとともに、ツアー初優勝を決めた。「優勝でまた2年間のシードをいただけたので、スケジュールを確認しながら韓国と日本、両国を並行したいと思います。またチャンスをもらえて本当にうれしい」と喜んだ。

もう一つ勝因に挙げたのが、キャディとして帯同した妻の存在だ。「僕はプレッシャーを感じると、頭をキョロキョロと振るクセがある。気づかないうちにそれを繰り返していたんですけど、となりで妻が教えてくれることで、直そうと認識することができました」と、強力な内助の功にも助けられた。男子ツアーに新たな実力者が加わり、戦いはさらにヒートアップしていくだろう。

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