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初優勝&完全Vにも王手 安森一貴が狙う400人目の“メモリアル勝利”

初日からリーダボードの頂点に立つ安森一貴。ツアー初優勝まであと少しだ。(撮影:ALBA)

<~全英への道~ミズノオープン 3日目◇27日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>

プロ5年目、レギュラーツアー出場7試合目の安森一貴が、メモリアル優勝に王手をかけた。初日から首位を守る安森は、この日3バーディ・1ボギーの「70」と3日続けて60台とはいかなかったものの、トータル16アンダーまで伸ばし、2位の金谷拓実に2打差の単独首位で最終日を迎える。1973年のツアー制度施行後、これまで399人の初優勝者が誕生。400人目の初V達成にも手をかけた。

今季QT12位の資格で出場権を獲得した安森にとって、初の決勝ラウンド最終組。「手が震えてティアップできないんじゃないかと思っていたんですけど、普通に刺せました(笑)」。それでも、前日までのように伸ばすことはできなかった。

2番パー5で3打目を2メートルほどに乗せてバーディ先行とするも、「なかなか流れを作れなくてしんどかった」と10番までパーを重ねる。スコアが動いた11番パー5は、ティショットのミスからボギー。だが、他の上位陣も足踏みが続き、13番、15番でバーディを奪って首位の座を守った。

企業に就職することを考えて関西学院大学に進学をしたが、「日本学生」や「関西アマ」など大きな大会で結果を残してプロの道を志した。これまでの優勝経験といえば、アマチュア競技では2013年の「大阪府高校ゴルフ選手権」、2017年の「西日本アマチュアゴルファーズ選手権」で全国規模では未勝利。プロ転向後は昨年にツアー外の1日競技「JOYXオープン」を制しているが、「ツアーの大きな大会で勝ちたい」と優勝への意識は持ち続けていた。

安森が優勝すれば初日から首位を守る、いわゆる完全優勝で初Vとなる。日本人としては2017年「関西オープン」の今平周吾以来。それ以前は2009年「日本プロゴルフ選手権」の池田勇太までさかのぼる。決して簡単ではない快挙だ。

また、ツアー制度がスタートした1973年開幕戦の「中日クラウンズ」で優勝を遂げた青木功から始まり、今年の欧州ツアーとの共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」を制したルーカス・ハーバート(オーストラリア)まで399人の初優勝者が誕生している。安森が勝てば記念すべき400人目となる。

いい流れを作れなくても、崩れることなく自分のプレーに徹して首位を守った。「あすも自分のプレーをしっかりと。勝ち負けにこだわって、強い気持ちを持って一日できたらいい」と力強く語った。(文・小高拓)

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