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「一週間一緒にいることがない」永峰咲希が夫と初タッグを組んだ特別なゴールデンウィーク

「私、本当は田野咲希なんです。すごく短いんですよ(笑)。病院くらいでしか使うことはないですけど(笑)」(撮影:米山聡明)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 最終日◇7日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇6780ヤード・パー72>

ゴールデンウィークの試合で、ツアー2勝の永峰咲希の隣には見慣れないキャディさんの姿があった。彼は田野聖和(たの・せいわ)さん。実は2021年オフに結婚した永峰の夫なのだ。信頼するパートナーの助けもあってか、冷たい雨と強い風が吹き荒れる厳しいコンディションのなかで永峰はイーブンパーの「70」で回りトータル9オーバー。順位を16位タイから9位に上げて大会を終えた。

永峰と田野さんは宮崎日本大学高の同級生で、在学中に交際が始まった。高校を卒業してからは、永峰はプロの世界へ、田野さんは東京の日本大学へと進んだ。宮崎と東京の遠距離恋愛で、しかも永峰は早寝早起き、田野さんは大学で野球に励み、夜はアルバイトも行っていたため、生活リズムはまったく合わない。「大学の頃は月に一回会えばいいほうで、私も向こうも忙しかった」という時間を乗り越え、交際から10年が経った21年に入籍した。

田野さんは大学卒業後に地元宮崎のテレビ局に就職。現在は東京支社で営業マンをしている。一緒に暮らしてはいるがツアーが開幕してしまえば、会える時間はわずか。今回は、「せっかくだし、どっか空いていたらと暦を見たらここしかなくて(笑)。ゴールデンウィークだからお願い」と試合で夫婦初タッグが実現した。「貴重な休みを私に使ってもらって(笑)、感謝の気持ちしかないです。普段、一週間一緒にいることがないので、そういう意味でお互い楽しかった」と永峰は特別なゴールデンウィークを振り返る。

しかし、永峰にとっては前週の「パナソニックオープンレディース」で優勝争いの末に2位に入って迎えたメジャー大会。ゴルフをしたことはあっても、キャディ業務の経験がまったくない夫に不安はなかったのか。「今年に入ってから私はけっこうハウスキャディさんが多いので、意外にできるなと思って。メジャーだったけどコースは平らだし大丈夫かなと、軽い考えでお願いしました。私は自分がしっかりしなきゃっていう緊張感がある意味良かった気がする」と笑う。

夫は今まで何度も永峰の応援に駆けつけたことはあっても、ロープの中で試合を見るのは初めて。もうすでに付き合いは11年以上になるが、「彼なりの励ましをしてくれたりとか(笑)、そういうのは新鮮で面白かったし、助けられたんじゃないかと思います。彼は彼で私の試合のときの心理とか知らなかった発見があったみたいです」と、お互いの新しい面を見られたようだ。

そのうえで「これを毎週できるかといったら、『俺にはできない』って言っていました。『今週一週間だってわかっているから、あと一日だと思って頑張れるけど、これは毎週は大変だね』という話はしていました」と、夫は妻の苦労を理解。普段は夜遅いこともある会社勤めの夫は、妻に合わせて早寝早起きの生活を一週間経験した。

土日には夫の会社の同僚が応援に訪れている。「私の応援より、旦那さんの応援のほうが多かった気がしますね(笑)。そのおかげで頑張れますよね。面白い一週間でした」。ちなみに大会一週間で田野夫婦が稼いだ9位の賞金は258万円。2人で豪華な打ち上げかと思いきや、「きょうは寒かったので、帰りに温泉に入って帰ろうかな」と笑顔で会場をあとにした。(文・下村耕平)

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