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「ラフでもいいと思って…」 安田祐香はステディな戦略でV戦線へ浮上

出だしから長めのパットを入れ、流れを作った(撮影:福田文平)

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 2日目◇24日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6497ヤード・パー72>

1番で10メートルを決めて“おはようバーディ”を奪ったことが、この一日のいい流れを作った。安田祐香は3バーディ・ボギーなしの「69」でプレー。連日の赤字で4アンダーに伸ばし、首位と3打差の3位タイで折り返す。

2日日は朝から強く風が吹いた。風速7.5m/sを観測した西からの風を前にして「耐えるゴルフをしよう」とスタートしていったが、出だしのティショットは右に曲げた。それでも「手前でも乗ってくれたら」として放った2打目はグリーンを捉え、その狙いはクリア。打ち切った長いパットはカップに吸い込まれるように入った。

折り返す直前の9番パー5では、グリーン奥ラフからのアプローチが5メートルもオーバーするピンチもあった。だが、それを決め切りパーをセーブすると、「後半にいい流れができた」。10番で6メートル、13番パー5では残り86ヤードから1メートルにつけてバーディを奪取。最終18番ではお先の寄せワンでしのぎ、この日は出場選手で唯一のボギーフリーで駆け抜けた。

初シードを獲得し、キャリアハイとなった今シーズン。来季フル出場権だけでなく、優勝者やメルセデス・ランキング上位者40人しか出られないエリートフィールドとなる最終戦にも初めて名を連ねた。前週の「大王製紙エリエールレディス」でシーズンを終えていた昨年のいまごろは、次シーズンに向けてスイング修正、トレーニングにすでに取り組み始めていた時期。「ちょろっと見ていました」と画面越しに見ていた舞台に立ち、そして上位争いを繰り広げている。

この日のフェアウェイキープ率は64%(9/14ホール)とまずまずだが、それ以上の手ごたえもある。「ティショットもポイントに狙うホールが多いけれど、つぎのショットを打てるところだったらラフでもいいと思って…」と無理をしすぎないステディな戦略が功を奏した。

好位置でターンしても、油断は禁物。「18番みたいな難しいホールが4ホールくらいある。そこでパーを拾えたらそれ以外はチャンス。のびのびできたらいい」と見据えるムービングデー。優勝争いに加わっても「あまりいつも考えていないので、目の前の一打に集中できたらいい」と安田らしい冷静さはそのまま、泰然自若で週末へと向かっていく。(文・笠井あかり)

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