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「生まれる前に優勝したい」 来月パパになる勝俣陵が『66』の猛チャージで初V圏内へ

勝俣陵がムービングデーに優勝戦線に浮上(撮影:ALBA)

<フジサンケイクラシック 3日目◇2日◇富士桜カントリー倶楽部(山梨県)◇7424ヤード・パー70>
 
ツアー初優勝を目指す勝俣陵は1イーグル、3バーディ、1ボギーの「66」と、この日のベストスコアタイをマーク。トータル1アンダーとして、一気にアンダーパーグループに浮上してきた。順位も28位タイから8位タイにジャンプアップして、首位と4打差で最終日を迎える。

「本当に4アンダーというスコアは、僕は自分の中では完璧だったなと思います」と振り返る。3番パー4ではティショットをドライバーで打ち、ピンまで100ヤードまで運ぶ。そこからのウェッジショットは1メートルほどにつけて、楽々バーディを奪った。
 
4番をパーとして続く5番パー4では、左ラフから1メートルつけてバーディ。そしてこの日一番の見せ場は、6番パー5。ピンまで残り20ヤードほどの右手前のバンカーから直接入れるチップイン・イーグルで大歓声を浴びた。勢いは止まらず7番パー3でもバーディを奪い、3番から5ホールで5つ伸ばした。
 
高難易度にセッティングされた富士桜での猛チャージに「本当に最初はどうなることかと思いました。10アンダーぐらいまで行っちゃうのかなと思いました(笑)」と興奮気味に話す。
 
しかし、このままスコアを伸ばせないのが今年の富士桜。バックナインでは、14番でボギーを喫するなど、1つもバーディを奪うことができずにホールアウトした。「やっぱりインコースは、ティショットを打つのが気持ち悪いです。ロングホールがミドルホールになっていたり、ショートホールは池が絡んで、上がり3ホール、4ホールは難しいですね」。逆転を狙う明日はサンデーバックナインでのプレーが鍵を握りそうだ。
 
そして、最近の勝俣はすこぶる調子がいい。8月の「横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜」では3日間で60台をマークし19位タイ。先週の「Sansan KBCオーガスタ」では4日間60台を並べ、トータル14アンダー・3位タイに入り、初優勝まであと一歩に迫った。どちらも最終日に伸ばしているのは好材料だろう。
 
その活躍の陰には、キャディを務める橋本竜摩氏の存在がある。ツアープロコーチを目指している橋本さんは、名門・日大ゴルフ部の同級生。勝俣の親友でキャディとしても信頼できる存在だ。「気持ちが落ちちゃっている時も上げてもらったりとか、ライン読みだったり距離読みだったり、本当にすごく助っています。明日は2人でベストを尽くして優勝争いできればなと思います」。
 
そんな勝俣は、来月には第一子の女の子が誕生する予定。「できれば生まれる前に優勝したい。それまでには稼いで出世したいです」。首位を4打差で追う最終日は、生れてくる赤ちゃんののことを思いながら逆転優勝を目指す。(文・神吉孝昌)

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