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前半戦トップ3が4回 佐久間朱莉が初優勝への思いを強くしたジャンボの言葉「お前は良くも悪くも…」

師匠の言葉でさらに勝利への欲が増した佐久間朱莉(撮影:鈴木祥)

2021年度6月のJLPGAプロテストを18歳でトップ合格をした佐久間朱莉。昨年は一度だけだったトップ3が、今年は前半戦ですでに4回を数える。そんな佐久間が今季を振り返って自身の成長について語った。

昨シーズンの最上位は「樋口久子 三菱電機レディス」での3位タイ。今年は「Tポイント×ENEOS」で3位タイ、「リゾートトラストレディス」で3位、「リシャール・ミル ヨネックスレディス in 朝霧」で2位、「ニチレイレディス」で3位タイとトップ3フィニッシュは4試合に増えた。「去年はけっこう『やり切った』3位だったんですよね。でも今年は、『まだまだ行けたな』と感じたので、少しずつ成長はできているのかなって実感できました」と前半戦を振り返った。

「まだまだ行けたな」と感じたのは、昨年から比べてショット全体の精度が上がったことが大きい。ツアーのスタッツにトータルドライビングの順位とパーオン率の順位を合算した数値の順をつける部門、ボールストライキングがある。飛んで曲がらないティショットと、セカンドショットの正確性を表す指標で、ドライバーからウェッジまでショット全般の技術が求められる。佐久間はこの部門で現在トップなのだ。

いつ優勝できてもおかしくない状態にまで登り詰めていることは自分でも感じている様子。今年の4月末にアイアンのライ角調整を行ったことも好調な理由だが、ショット全体の精度を毎試合でキープするために一番大切にしているのは「アライメント」だという。「特にアップダウンが激しいコースだと、傾斜の影響でアドレスの向きがブレやすいので注意しています」。

ラウンドでアライメントが狂わないように、練習場で打っているときから意識は欠かさない。「木などの目標を作って、1球1球位置を変えて狙うようにしています。ずっと同じところを狙うと自然と向けるようになってしまうので、毎回リセットするようにしています」と常に実践を想定し、成長につなげた。

それと同時にツアー初優勝へ自分に足りないものにも気づいた。「アプローチなど、グリーン周りの1打の積み重ねで優勝に届かないことも実感しました。少しずつ引き出しを増やしていけるようにしていきたい」と語る。次週の後半戦1試合目は、自身の所属先である大東建託が主催する「大東建託・いい部屋ネットレディス」にホステスプロとして出場。前半戦で感じた課題を磨いて初優勝を狙う。

西郷真央や原英莉花などジャンボ尾崎の弟子のひとりである佐久間は「優勝したいです。それだけです」と強く言い切る。このオープンウィークにはジャンボ邸を訪れ、「お前はよくも悪くも変わらない位置にいるな」と師匠に厳しい言葉を浴びせられた。「だから一日でも早く優勝報告ができるようにしたい」と、さらに勝利への欲が増している。もう2位や3位はいらない。姉弟子たちのように優勝カップを持つ姿をイメージして後半戦へ挑んでいく。(文・高木彩音)

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