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3日間で池に50発! アップテンポな曲を浴びながら打つ“モンスター”16番パー3が優勝の行方を左右する

石川遼は3日目、16番パー3で水しぶき(撮影:福田文平)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 最終日◇2日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>
 
大会最終日の競技が始まった。ジェイブ・クルーガー(南アフリカ)がトータル18アンダーで後続に3打差をつけているが、毎日ビッグスコアが飛び出すコースで、まだ多くの選手にチャンスがある。終盤、ドラマを演出しそうなのが、ザ・ノースカントリーゴルフクラブのシグネチャーホール、16番パー3だ。

グリーンをグルっと池が取り囲み、距離も180ヤード前後と短くないことから、水しぶきを上げる選手が続出。初日は27人、2日目は20人、3日目は3人と、ここまで合計50発が池に消えている。石川遼も3日目、打ったあとに手を離し、ボールは池の中へ。ボギーを叩いた。3日間の平均ストロークは3.1745で、難易度2位となっている。
 
ここを苦手にしているのが地元・北海道出身でトップと3打差の2位タイで最終組を回る片岡尚之。「グリーンが3ヤードくらいに見えるんです」と、昨年は3発、今週も初日に1発、池に入れている。しかも片岡は今回3度目の出場で11ラウンドしているが、一度もパーオンしていないのだ。2日目と3日目はギリギリでグリーンエッジに残し、どちらもパーで切り抜けた。最終日は初めてのパーオンに期待がかかる。
 
また、今年は『The Monster 16』と題して、16番がエンターテインメント観戦ホールに変貌している。普段は静かに見守るのがゴルフのマナーだが、このホールではアップテンポな音楽を浴びながら選手たちはティショットを打つ。パーオンすると「モンスターーー!」とサンプリングが流れ、グリーン近くのスタンドで見守るギャラリーが青い応援グッズをポンポンポンポンと鳴らして盛り上げる。池に入れてもアグレッシブなショットには「ナイストライ!」のかけ声。選手たちもいつもより大きなアクションでギャラリーに応えている。決勝ラウンドでは4つのパー3のなかで最も高額な700万円のホールインワン賞がかかるが、ここまではまだ出ていない。
 
最終日は右奥にピンが切られ、実測197ヤードと4日間で一番長くなっている。追う選手たちは、よりアグレッシブにピンを攻めていくことになるだろう。たとえトップでここを迎えても中途半端なスイングをすればダブルボギーまである。たとえ3打リードしていても安心はできない。

3日目に4つのイーグルが飛び出した17番パー4は、最終日はティが後方となりワンオンは狙えない設定だが、ここも池が絡むホールになる。そして最終18番パー5は2つで届くことから、イーグルのチャンスがある。16番からの上がり3ホールが優勝争いをさらに面白くする。(文・下村耕平)

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