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終始ブーイングも…オクラホマシティ凱旋のデュラントがサンダー時代を回顧。ハーデンのトレードは「クレイジー」<DUNKSHOOT>

久々のオクラホマシティ凱旋となったデュラント。「数多くの素晴らしい思い出が浮かんでくる」とサンダー在籍時を回顧した。(C)Getty Images
現地時間11月14日(日本時間15日、日付は以下同)、ブルックリン・ネッツが敵地ペイコム・センターに乗り込み、オクラホマシティ・サンダーと対戦。120−96で快勝を収めた。

ここまで平均29.4点をマークし、得点王レースのトップに君臨するケビン・デュラントは、この日もフィールドゴール成功率52.9%(9/17)、フリースロー成功率92.9%(13/14)とシュートを高確率でヒット。ゲームハイの33得点に8リバウンド、4アシストと圧巻のパフォーマンスで勝利に貢献した。

また、この日はパティ・ミルズがキャリアハイとなる9本の3ポイントを沈め、29得点と大当たり。さらにジェームズ・ハーデンが16得点、6リバウンド、13アシスト、3スティール、ラマーカス・オルドリッジも15得点、8リバウンド、2ブロックをマークした。

これでネッツは3連勝。ここ9戦で8勝と調子を上げており、10勝4敗(勝率71.4%)でイースタン・カンファレンス2位につけている。
そしてこの日は、デュラントにとって久々のオクラホマシティ凱旋だった。前回デュラントがオクラホマシティでプレーしたのは、ゴールデンステイト・ウォリアーズ在籍時の2018年4月3日。その後ケガや欠場なども重なり、実に3年半以上もの月日が流れていたのだ。

2007年のドラフト全体2位でシアトル・スーパーソニックス(現サンダー)から指名されたデュラントは、ソニックスとサンダーで計9シーズンをプレーし、2014年にはシーズンMVPを獲得。得点王に4度輝き、2012年にはNBAファイナルにも進出した。そんなNBAキャリア初期を過ごしたオクラホマシティ時代を、デュラントはこう振り返る。

「キャリアの出発点として見ているよ。あそこはプロとしての自分自身を作り上げてきた場所だ。間違いなくね。プロになるために多くを教わってきたし、この組織にいる人たちが若かった頃の俺を導いてくれた。今いる自分の基盤を作り上げてくれたんだ。だからここに戻ってくると、数多くの素晴らしい思い出が浮かんでくる。ここにいる観客の前でプレーするのはいつだっていいことさ」
もっとも、サンダーのファンは2016年夏にウォリアーズへFA(フリーエージェント)移籍したデュラントに対して快く思っておらず、この試合でもウォームアップ時に始まり、試合中もボールを持つとブーイングが飛び交っていた。それでも、デュラントはそれを楽しむかのように次々とショットに成功。流石のパフォーマンスを披露し、チームに勝利を呼び込んだ。

また、この日は2012年のファイナル進出時のチームメイトでもあるハーデンと、ネッツの一員として初めて古巣へ凱旋したことになった。ハーデンとのサンダー時代をデュラントはこう振り返っている。

「いろんなことが起きたからクレイジーだったね。俺はジェームズが(オクラホマシティから)トレードされるだなんて思ってもみなかったから。将来が約束されていて、また同じチームでシーズンを迎えることができるんだと思っていたんだ。でも今日ここに戻ってきて、ファンの皆からの愛を感じることができた。一生懸命取り組んでこのチームを強くしてきたことをわかってくれている人たちと会えるから、ここに戻ってくるのはいいことさ」
2012年にサンダーを頂上決戦へと導いたデュラント、ハーデン、そしてラッセル・ウエストブルック(現ロサンゼルス・レイカーズ)は、同年のオフにハーデンがヒューストン・ロケッツへトレードされたことでトリオ解散に。だが、この3選手はいずれもシーズンMVPを獲得し、オールスターとオールNBAチームにも複数回選ばれたリーグ最高級の実力者だけに、彼らがサンダーで共演していたことは、貴重な瞬間だったと言っていいだろう。

そしてネッツは16日に、ウォリアーズとのホームゲームが控えている。デュラントにとってはこちらも古巣であり、かつての同僚ステフィン・カリーとの再会だけでなく、今夏の東京オリンピックでともに金メダルを勝ち取ったドレイモンド・グリーン、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)とも再会することになる。
「彼らは間違いなくリーグのベストチーム。エリートレベルのプレーを見せている。でも、あくまでレギュラーシーズンの試合だ。当然、俺たちはホームの観客の前で勝ちたい。でも自分たちにプレッシャーをかけすぎるのではなく、ファイナル(の仮想対決)とも捉えずに臨むつもりだ。自分たちがチームを構築する上で新たな機会であり、自分たちが何をしたいのかを確かめて、プッシュし続けていくよ」
ウォリアーズは14日のシャーロット・ホーネッツ戦に敗れたとはいえ、11勝2敗(勝率84.6%)の成績は依然としてリーグベスト。ネッツとしてもチームの現在地を計る上で、この一戦は貴重なものとなるだろう。

ネッツとウォリアーズという東西の強豪、そしてデュラントとカリーというリーグを代表するスーパースターたちによる熱戦を、大いに期待したいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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