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ベストスコアで40人抜きの小祝さくら、難バンカーから直接カップイン!「ここの砂は打ちやすい」

小祝さくらが「68」で2位に浮上。初のメジャー制覇に向け着々と歩みを進めていく(撮影:米山聡明)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 2日目◇5日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇6780ヤード・パー72>

初日はバーディなしの4ボギーで「76」の4オーバー・42位タイ発進となった小祝さくらだが、2日目に猛チャージを見せた。風が強くなり始めた午前11時40分のスタートで、5バーディ・1ボギーと本日のベストスコアとなる「68」をマークして2位タイに急浮上。最大瞬間風速13.9メートルの強風が吹くなか、アンダーパーで回ったのは小祝、首位の吉田優利、5位タイの森田遥の3人だけだった。

小祝の最初のバーディは2番ホール。右ドッグレッグのパー4で、きょうのピン位置は一番奥、しかも風はアゲンスト、平均スコア4.5086の最難関ホールだった。砲台グリーンで奥からは下りになるため、寄せるのは至難の業。アゲンストなのでセカンドでも、アプローチでも奥には突っ込みにくい。きょうは116人プレーしてボギーが43人、ダブルボギー以上が11人もいた。

その難しい2番で小祝はセカンドショットを、よりによって奥のバンカーに外してしまう。ピンが近く、落としどころが狭い。しかもピンを過ぎれば大きく下っていくため、寄せるのが難しい場所だ。ところが、周りにいたギャラリーたちの心配は、大歓声に変わる。小祝が放ったバンカーショットは直接カップイン! これでリズムをつかみ、5つのバーディを積み重ねた。

「あそこは受けていて、カップを過ぎたら下り。あとはちょっと左足上がりだったのでしっかり打てば止められる球を打てるなと思って、そんなに不安なく打てました」。本人はケロッと答える。もしグリーンの手前に落ちれば、傾斜を駆け下りて返ってきてしまう。それに奥に打てば傾斜をゴロゴロと下って大オーバーする危険もあったのに、だ。

17番パー5でも小祝は素晴らしいバンカーショットを見せる。2打目をミスして、残り95ヤードの3打目を奥のバンカーに入れるピンチだったが、これを1メートル弱につけてパー。きょうのバンカーは2/2で、サンドセーブ率100%だった。「バンカーは今週けっこう調子が良いので、しっかり自信を持って打とうと思っていました」と振り返る。

バンカーの調子が良い理由を聞かれると、「もともとバンカーは好きなんですけど、たまにひどくなってしまうときがある。砂質だったり、そういうのでけっこう変わるんですけど、ここの砂は打ちやすいですね。いいイメージで打つことができている気がします」。他の選手が苦労するふかふかのバンカーがアドバンテージとなっている。

最後は小祝劇場をお送りしよう。難しいコースで難しいセッティングのなかで好スコアを出し、『難しいセッティングは好き?』と聞かれると、「前まで好きだったんですけど、最近は好きじゃない…(笑)」と肩すかし。「でも、きょうみたいなゴルフができたので自信になります」と続ける。次に『風のなかでのゴルフは好き』と聞かれると、「前まで好きだったんですけど、最近は嫌いです(笑)」と同じ答え。しかし「嫌いなほうではない」と付け加える。

今季は全9試合に出場して、先週を含めて4試合の予選落ちと小祝らしくない成績となっている。「ダメなときっていろいろ考えてしまうんですけど、ダメだからこそ自分で直した方がいいところに気づくことができる。ある意味そういうことに気づけるいいチャンスだなとポジティブにとらえるようにしています」。テークバックを内側に上げる癖に気づいたことでショットへの自信も回復中。初めてのメジャー制覇へ突き進みたい。(文・下村耕平)

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