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名参謀とのラストマッチ 清水重憲キャディが感じた国民的人気選手との“縁”【日本最後のボミさんへ】

2013年の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯でのボミと清水キャディ(撮影:佐々木啓)

イ・ボミ(韓国)が今週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で日本ツアー最後の試合を迎える。2011年から参戦し13年が経った。15、16年には賞金女王に輝くなど数々の歴史を作ったボミのこれまでの功績を“チームメンバー”の言葉で振り返る。第1回はエースキャディとしてボミの黄金期を横で支えた清水重憲キャディ。

11年前のこの大会で初タッグを組んだ清水キャディは、遠い目で当時を思い出す。「ちょうど2012年のこの試合が初めてキャディをやらせてもらったんです。だからそういう意味では、はじめてこの試合でやらせてもらって、この試合で終わるというのがなんか変な…。そういう『縁』ですよね」。この数年はほかの選手のバッグを担ぐが、日本ツアー最後の試合はやはり清水キャディしかいなかった。

絶頂期の15年を含め、常に清水キャディと相談するボミの姿があった。全幅の信頼を寄せ、「清水キャディのおかげ」という言葉が何度もボミの口からでるほどの名タッグ。黒子としてボミを支えた清水キャディもついにこのときが来たことに、まだ実感が湧かない。「いや~、なんか最後とは思えないですね」と、これまでの軌跡を思い返す。

「夜とかには」と感慨にふける時間もあるというが、いまは今週のことで頭がいっぱい。「試合をするからには、少しでも、ひとつでもよく上がりたいと思います」。ラストマッチに向けて最大のサポートをし、最高の花道を演出するつもりだ。

長いあいだボミと過ごしたなかで、思い出は尽きない。「いっぱいありすぎて」と思いを巡らせる。「15年とか16年は賞金女王も獲れて優勝もたくさんさせていただきましたけど、やっぱりはじめての優勝ですかね」。いま思い返せば、13年の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」優勝時の記憶が鮮明に浮かぶ。

12年に3勝をマークし注目度は一気に上昇したが、「13年は調子があまりよくなくて前半戦苦労したんですけど、夏以降に少しよくなってきて、秋の選手権で勝った。初のコンビでの優勝。あれはうれしかったですね」と、だからこそ最初の勝ちには価値があった。その後の2人の実績は語るまでもなく、ゴルフ界では誰もが知るところとなる。

日本ツアーからの引退を惜しむ声は今も多い。ツアーを盛り上げ、一時代を築いたボミの引退が刻一刻と迫る。その中で、清水キャディには最後の仕事がある。「一個でも順位を上げられるように」。キャディとして、最終ホールまでボミをサポートするのが清水キャディの役目だ。

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