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幸野志有人 SHOOT KOHNO Vol.1「サッカー選手を続けるために、サッカー以外で稼ぐ」

“10割”の選手は不安を抱えている

——そういう時期にサッカーだけではなくて、他でも稼げる手段があったほうがいいという発想になったわけですか?

幸野 去年から今年にかけて実際にチームが決まらない時期があって、そういう切羽詰まった状況を経験してこのままではダメだなと改めて考えさせられましたね。ただ、こういうことを現役の選手に話してもなかなか理解できないというか、難しいと思いますね。例えばこのインタビューが記事になって、この記事をこういう経験をしていない選手が読んでどれくらい共感できるか。やっぱり自分で経験していないとそういう発想にはならないと思います。ただ、選択肢としてこういう道もあるんだと認識してもらうだけで全然違うと思います。

——現役の間にそこまで考えている選手というのはなかなかいないですよね。

自分がFC東京に入ったときも他のことをやりながらプレーしている人はいなかったですね。そういう時代でもなかったと思います。引退した人がそういうキャリアのことについて話してくれることはありましたけど、引退した人と現役の人が言うのでは全然違いますよね。僕みたいに他でなにかサッカー以外のことをしている人がチームにいて、そういう選択肢もあるんだなと感じてもらえたらいいなとは思います。そこからはその人がどう選択するかだけですけど。もちろん、全員が全員、現役のうちからそういうこと考えてやったほうがいいは思いません。あくまでも選択肢として視野に入れておいてもいいなということですね。

——幸野選手のように先々のことを考えながらやりたいことも明確な人はなかなかいないかもしれないですね。

幸野 別にクリエイティブなことでなくてもいいんですよ。資産運用でもいいと思います。そういう選手として不安定な状況になったときに、ちゃんとオファーを吟味できるくらいの余裕が持てるようにリスクヘッジを考えておく必要がありますよね。でも確かに実際はそういうことを考えてやれている選手はごく少数だと思います。ただ、10割の選手はそういう不安を抱えていると思います。でもやれているのは 1割くらいじゃないですかね。それはあくまでも僕の感覚ですけど。

——10割は不安に思っているのに1割しかできていないというのはすごいですね。

幸野 選手として稼いでいるときに、ちゃんと次のことも考えておいたほうがいいと言われてもそんな言葉は耳に入らないですよね。でもいくら稼いでいてもそういうときは絶対に来るんですよ。逆に選手としての価値が高いうちにそのブランドを活かしてビジネスを展開するのはアリだと思うんですけどね。引退間際でブランド価値が下がったときにやるより絶対にいいと思います。

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■プロフィール

幸野志有人(こうの・しゅうと)

1993年5月4日生まれ、東京都江戸川区出身。各年代の日本代表に選ばれ、JFAアカデミーの1期生となる。2009年のU-17ワールドカップには唯一の高校1年生として出場した。16歳でFC東京とプロ契約。その後、複数のJクラブを渡り歩く。2020年、オーストラリアのシドニーオリンピックFCに移籍するも、開幕前の大怪我によって退団。復帰を目指してリハビリをしながら、アパレルブランド「CLUB SARCASM」を立ち上げるなど、サッカー以外にも精力的に活動している。

https://www.instagram.com/shoot_kohno/
https://www.instagram.com/clubsarcasm_1993/

■クレジット

取材・構成:Smart Sports News 編集部

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