“激アツ”イーグル発進! 菅沼菜々、切望の初Vへ好機到来

灼熱の兵庫大会で好スタート。切望の初優勝をつかめるか。(撮影:鈴木祥)

<楽天スーパーレディース 初日◇27日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)◇6636ヤード・パー72>

イーグル→バーディというこれ以上ないスタートを切った菅沼菜々が「65」をマーク。宮澤美咲と並んで7アンダーの首位発進を決めた。先週は首位と2打差で最終日を迎えたが、スコアを伸ばせず、11位タイでフィニッシュ。「今日は父の誕生日でした。絶対に勝ちたかった」と初優勝に届かなかった悔しさをインスタグラムにつづっていた。最高の滑り出しを生かし、1週遅れのバースデープレゼントを届けたい。

「すごい得意な距離で、ピンも真ん中ちょい左ぐらいだったので、いいイメージで打てました」。スタートの10番パー4。残り126ヤードからPWでの2打目はピン手前1メートルに落ちると、2度ほどバウンドしてカップに消えた。イーグル発進は「初めてです」。会心の一打でいきなりギャラリーを沸かせた。

続く11番パー4の2打目も残り距離は126ヤード。再びPWで会心のショットを放ち「キャディーさんと『また入るんじゃない』ってなってました」。惜しくも連続イーグルとはならなかったが、10センチにつけてお先のバーディ。15番パー4では9Iでまたも10センチにつけるなど、PWとその前後のクラブ(9I、48度)でのショットがことごとくピンに絡んだ。

唯一のボギーは2打目を5UTでOBとした終盤の7番パー5。「カート道で跳ねたので、そんなに左に行ってないんですよ。でも、フェード(が持ち球)なのに、ドローしちゃったので、『あっヤバい』とは思いました」。それでも、106ヤードの5打目を48度で10センチにつけて、傷は最小限にとどめた。今大会では一昨年に吉田優利、昨年は勝みなみと仲がいい選手が優勝。「昨年のみなみちゃんが4日間ノーボギーだったので私も頑張ろうと思ったのに、もう終わっちゃいました」と苦笑いだった。

特定の状況で大きな不安に襲われる広場恐怖症で、飛行機や新幹線といった公共交通機関を利用できないため、北海道、沖縄で行われる試合には出場できない。そんななか、今夏は来週を含めてまだ3試合、北海道での試合が残っている。「(試合に)出ない分、抜かされちゃうので、早く優勝したいですし、置いていかれないように頑張りたいです」と今大会にかける思いは強い。

コースに近い兵庫・三田市では今年最高の気温37度を記録。「暑いのは得意なんで大丈夫なんですけど、それでも油断できないぐらいの暑さなので、しっかり対策したいと思います」。2年前にも初日に7アンダーで首位タイ発進を決めており、コースとの相性の良さも感じている。

「私の誕生日だからって、そんなに気合を入れる必要はなかったんですけどね。優勝してくれたらいつだってうれしいんですから」と話す父・真一さんのためにも、1試合でも早く初優勝を手にするつもりだ。(文・田中宏治)

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