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史上3人目の偉業へ 19歳・櫻井心那が勝負をかけるサンデーバックナイン

首位とはわずか1打差。逆転の心那が偉業達成へ挑む(撮影:上山敬太)

<CAT Ladies 2日目◇19日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

19歳の櫻井心那は4バーディ・1ボギーの「69」とスコアを伸ばし、首位と1打差のトータル9アンダー・3位と絶好の位置で最終日を迎える。下部のステップ・アップ・ツアーで賞金女王に輝いた昨季の5勝はいずれも、単独首位もしくは首位タイからの逃げ切りだったが、レギュラーツアーに舞台を移しての今季の2勝はいずれも逆転V。新たな勝ちパターンで今季3勝目を狙う。

この日の櫻井はスタートからの連続バーディで勢いよく飛び出した。1番パー5は残り218ヤードから4UTで2オンを果たし、2パットのバーディ。2番パー4は2打目を52度のウエッジで50センチにピタリとつけた。その後、11番のバーディでさらにスコアを伸ばしたが、12番以降はすべてパー。「66」で回った初日も6つのバーディすべてが11番までに奪ったものだった。

後半のプレーについて櫻井は「初日よりピン位置が難しくて、パーを取るのに必死みたいなホールもあった。そこをしのげたのは良かったかなと思います」。ピン位置や各ホールとの相性もそうだが、終盤にブレーキがかかる原因として考えられるのは疲労。初の海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)から帰国して即出場というスケジュールだけに「15番ぐらいから疲れているなと感じていました」。

ただし、この日は櫻井が15番をプレー中だった午後1時47分から45分間、雷雲接近のためプレーが中断。「クラブハウスに戻って靴を脱いで休めた。(再開後は)集中力を切らさずにできたかなと思います」。疲れが残る櫻井にとっては恵みの雨ならぬ、恵みの雷だった。

優勝争いは首位から2打差以内に8人、3打差以内に14人がひしめく混戦模様。最終日最終組でプレーする櫻井は「みんなトップみたいな感じなので、みんなにチャンスがあると思います」とまだ優勝争いの顔ぶれが絞られたとは考えていない。

今季2勝の経験から、優勝のカギは後半のプレーと見る。「バックナインで3アンダーとか、スコアを伸ばせたときに勝てているのかなと思います。この2日間、バックナインで伸ばせるイメージがないんですけど、明日伸ばせたら勝てる可能性があるのかな」。

19歳167日でのツアー2勝目は畑岡奈紗、宮里藍、笹生優花に続く日本勢4番目の年少記録だったが、今大会で勝てば、これまで畑岡、宮里しかいない10代での3勝目到達。偉業達成へ、最後まで集中力を切らすわけにはいかない。(文・田中宏治)

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