「大変なことが起こった」パット克服の東聡が10年ぶりVに大感激

10年ぶりの大復活Vを果たした東聡(提供:日本プロゴルフ協会)

<金秀シニア 沖縄オープン 最終日◇8日◇かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)◇6900ヤード・パー72>

「大変なことが起こったね」。

自分自身でも信じられなかったのだろう。今季のシニアツアー開幕戦「金秀シニア 沖縄オープン」で、2013年「ISPS・ハンダカップ・フィランスロピーシニア」以来となる10年ぶりの優勝を飾った東聡(62歳)が、冒頭のコメントで喜びを表した。

今季のシニアツアー出場権をかけた予選会(3月15~17日)では48位に終わり、出場できるのは主催者推薦のみ。その推薦で出場した今大会で優勝し、シード権を獲得したのだから、確かに「信じられない」のもうなずける。ウイニングパット後にはキャディを務めた奥さんと抱き合い、二人で10年ぶりの感激を味わった。

「パッティングの調子が良くなかったんですよ。予選会も本当にパターが良くなくて、3パットばかり。今週も今の調子じゃどうしようもないなと思っていた」とグリーン上で頭を悩ませていた東だったが、あることがキッカケで激変する。

「練習ラウンド後にいつも一緒にゴルフをやっている人から、ちょっとしたアドバイスを受けたらガラリと変わった。その一言がなければ、こんなにパッティングが良くなっていなかったと思う。簡単にいうと、ざっと構えて打っているから、もう少しメリハリをもった構えにしたほうがいいんじゃないかと。毎回、悩んで違う形にしているけど、それが良くないんじゃないかって」

悩めば悩むほど多くのスタイルを試し、もがいてしまうのがパッティング。東のコメントからも長年の苦悩がうかがえるが、たった一言で変わるのだからゴルフは不思議なものだ。

「雨や風の中、3日間大会で勝つのは体力的にも厳しい? これが歩きでのプレーだったら違ったかもしれないけれど、負けないよ、50歳にも(笑)。せっかくいただいたチャンスなので、これで終わらせず、今年中に何かできればいい」

優勝という妙薬によって自信もよみがえった。

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