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鈴木愛の幅広ブレード・特注センターシャフトは「ごまかしが効かない」 得意の繊細さをフルに発揮【勝者のギア】

パット巧者の鈴木愛が今季初勝利を挙げた(撮影:GettyImages、ALBA)

<明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 最終日◇10日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6273ヤード・パー72>

鈴木愛が4日間の完全Vで、2位に6打差をつけてツアー19勝目。「19勝してこんなに疲れがないのは初めて」と、オフトレの充実度を振り返った。また、土佐カントリークラブの高速で微妙なパッティングをジャストタッチで入れる“繊細なパット”も印象的で、平均パット「28.25」は全体3位、パーオン率も2位だった。

1年以上前のオフから「アンサータイプより少し幅の広いものでセンターシャフトが使いたい」とPINGに要望していた鈴木。ところが、ブレード型のセンターシャフトは海外選手に使用者も少なく「ヘッドの型がないので最初から作ると時間がかかる」と言われ、昨年11月の「TOTOジャパンクラシック」でようやく手元に届いたのだそう。

昨季は『PLDアンサー2』の調子が良かったため、届いたプロトタイプを使うことはなかったが、今年のオフにPING『PLDクッシンC』プロトタイプが「めちゃくちゃハマった」。「フェースが少し分厚いものは自分のストロークタイプだと今までは転がりすぎていて嫌だった。フェースの溝を転がらないのに変えてもらって、自分の打ち方と転がりがマッチした」と話す。

一般に、ブレード型のセンターシャフトはトウにもヒールにも打点ブレが許されない、シビアなパターとして知られる。ところが、鈴木は意のままに動かせる「細かいジャストや繊細な部分が得意」。最終日の2、3番で短いパットを外したが、その時の心境を問われ「繊細さ重視」のパッティングに揺るぎない自信を覗かせていた。

「2番は正直ラインを迷って右一杯だと思ったけど、しっかり打ったら右を抜けそうで、合わせると左に切れそう。しっかりイメージが出ないままジャスト目になって最後に切れてしまったもののフィーリングは悪くはなかったし、3番もめちゃめちゃ難しいライン。細かく言うと上って下るみたいな感じ。強く打つと抜けて、合わせると切れるライン。パッティングというよりショットだな…と。ショットが悪くないところに付けられれば、自信を持ってできると思って気にはしていませんでした」

鈴木は元々パット巧者ではあるが、その“繊細さ”に自負があるよう。

「チャンスについても次が入らないと一緒だと思う。ショットメーカーの選手は沢山いる。でもパットが苦手な選手というのは、それが足を引っ張るクラブだと思う。一番動きは小さいですが、繊細なフィーリングが必要ですし、そういう意味では自分の中で細かいアジャストや繊細な部分は得意。どちらかというと大きな動きは自分でごまかせてしまう。パットはそうはいかない。ごまかしがきかないクラブだと思うので、重要な1本だと思っています」

5月で30歳になる鈴木。1年以上前に要望したプロトタイプパターは、本人の直感通りの結果を出すことになったが、そこには経験と分析力が活かされている。「若い選手よりも経験を積んできた分、様々な状況で試合に入っても練習でも、自分の悪い傾向もわかる。自分の方が経験値はあると思うし、実力も上でいたいと思うので、そういう面では、まだ若い子にはまだ負けねぇぞという気持ちでやりたい」と話した。

【鈴木愛の優勝セッティング】※全てPING
1W:G430 LST(10.5°ALTA JCB SLATE S 45.5㌅)
3W:G430 LST(15°ALTA CB 65R)
7W:G425 MAX(20.5°ALTA CB 65R)
4.5U:G430(22,26°TOUR 2.0)
6I~PW:ブループリントS(N.S.PRO 950GH neo R)
50,54,58°:S159(PING CFS R)
PT:PLD KUSHIN Cプロトタイプ
BALL:タイトリストPro V1x

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