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来季のシード権争いは佳境へ QTトップ通過の篠優希はまさに崖っぷち「今週で決めたい」

QTランキング1位で今季を迎えた篠優希は、今大会でシードを決めにいく(撮影:上山敬太)

<三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目◇11日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

2023年シーズンも終盤戦を迎え、来季の賞金シード争いも佳境に入っている。来季のシード権は賞金ランキング65位までに付与されるが、「セガサミーカップ」で優勝したジェイブ・クルーガー(南アフリカ)と、日韓亜共催の「Shinhan Donghae Open」で優勝したコー・グンテク(韓国)は出場義務試合数不足で除外されるため、実質は同67位までが“圏内”となる。

現在、賞金ランキング75位の篠優希は、その賞金シード争いの渦中にいる。篠は昨年のファイナルQTをトップで通過して、今季のフル出場権を得た。

しかし、今季はここまで19試合を戦ってトップ10は一度もなく、苦しいシーズンを送っている。「去年に比べて、予選通過は結構できているのですけど20位前後が多い。パットが入ってくれなくて、いい流れを切ってしまっているところがある」と課題を口にする。

それでも、この日は、5バーディ・2ボギーの「67」をマークし、トータル3アンダー・13位タイに浮上してきた。「コーチの中井学さんに来ていただいて、パターの打ち方を変えたら、すごく良くなった。さらに今日は3日間で一番ショットも良くて、ショットとパットがかみ合った」と手応えもある。

次週の「ダンロップフェニックス」の出場権がないため、残り試合は今大会と2週後の「カシオワールドオープン」のみ。明日は勝負の1日になる。「本当にできれば今週で決めちゃいたい。10位くらいに入ればシードを決められると思うので、明日も今日みたいなゴルフができれば結果はついてくると思う。とりあえずトータル6アンダー目指して頑張ります」と強い気持ちを持って最終日を戦う。

一方、21年の「ブリヂストンオープン」優勝で得た2年シードを今年で失う杉山知靖もまた、賞金ランキング73位と崖っぷちに立つ。第3ラウンドはボギーフリーの「64」と一気に伸ばし、21位タイから単独3位に急浮上した。

来季のシード権について聞いてみると、「あまりシードのことは気にせずにやりたいなと思います」と冷静な様子。杉山は次週の「ダンロップフェニックス」と2週間後の「カシオワールドオープン」の出場権があり、篠に比べれば1試合稼ぐチャンスは多い。

そんな杉山だが、シード権よりもツアー2勝目に目を向けている。首位の今平周吾とは5打差。逆転できない位置ではない。「今平さんはとても素晴らしい選手なので、少しでも食らいついていけたらいいなと思っています。一打一打を集中して良い結果が出ればいいなと思います」。

優勝すれば来季から2年シード。しかし、残りの試合で賞金ランキング67位に入れなければ予選会(QT)が待つ。シード当落線上の選手たちにとって、まさに“一打”が明暗を分けることになりそうだ。(文・神吉孝昌)

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