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ポイントレースでもトップ浮上 女王・山下美夢有が海外メジャーにつながる圧倒V

まさにひとり旅。山下美夢有が完勝で今年2つ目のタイトルをつかんだ。(撮影:佐々木啓)

<ブリヂストンレディス 最終日◇21日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>

単独首位から出た昨季の年間女王・山下美夢有が第3ラウンドに続いて「65」をマークし、2位に7打差をつける独走優勝を果たした。先週は岩井姉妹とのプレーオフで敗れて涙も見せたが、わずか1週間で悔しさを晴らす今季2勝目。メルセデス・ランキングでも、およそ1カ月ぶりにトップへ返り咲くなど、海外メジャー出場を予定する夏場を前に調子を上げてきた。

スタートの1番パー4。2打差を追ってスタートの岩井明愛が右サイドのカラーからバーディパットを沈めた。接戦を予感させたが、すぐに山下は奥から6メートルを入れ返す。2位との差が詰まったのはこの一瞬だけ。その後は着々とリードを広げ、ハーフターンの時点で5打差。リードが広がっても「目の前の一打に集中して、どうすればバーディが取れるかだけを考えていました」と全く隙を見せることなく、女王らしい強さを発揮した。

シーズン序盤はショットがぶれ、本調子ではなかったが「だいぶ安定してきたかなと思います。後半の出だしでバーディが取れて、いいリズムで回れているなと思いました」。3日目にプレーした第2ラウンドの残りを含めて、2日間46ホールボギーなし。「パットのタッチも良かったし、ラインも合ってくれたのがバーディにつながったと思います」と振り返った。

安定したショットとともに、山下の強さを支えているのがパッティング。昨季は平均パット数(パーオンホール)4位。今季も現在7位と常に上位をキープしている。スタート前の練習グリーンでは2本のティを立て、その間を往復するドリルに多くの時間を費やす。

「カップに入ってしまうと、どこに止めるというイメージが作れないので、距離感を養う練習です」と話すのは、今大会を含めて多くの試合でコンビを組む松村卓キャディ。往復なので行きが上りなら帰りは下り、行きがフックなら帰りはスライスとなる。「何往復やるとかは決めていなくて、とにかく何回もやっています。距離は6メートル、8メートル、13メートルです」(山下)。アマチュアにもすぐに真似できそうなシンプルなドリルだが、そこにどんなラインでもタッチが合う秘密が隠されている。

今季の残る海外メジャー4試合には、すべて出場する方向でスケジュールを調整中。「調子を上げていけたらいいなと思っています」。昨季唯一出場した海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)では13位タイと健闘。今年は日本の女王として、さらに上位でのプレーを目指す。(文・田中宏治)

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