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【優勝者のスイング】櫻井心那はなぜドライバーで260ヤード飛ぶのか

桜井心那のスイングは大きな筋肉を使っているから再現性が高い

資生堂レディスでレギュラーツアー初優勝を飾った櫻井心那は、平均飛距離260ヤードを誇る豪快なドライバーショットが魅力だ。どうやったらそんなに飛距離が出せるのか。プロコーチの長谷川哲也に、われわれも真似したい飛距離アップのポイントを解説してもらった。

「桑木志帆さんとのプレーオフを制して初優勝を飾った櫻井心那さん。勝負を決めたプレーオフ2ホール目では、平均飛距離260ヤードを誇るドライバーショットでアドバンテージを奪うと、ピン奥3メートルにつけてバーディ。昨季ステップ・アップ・ツアーで年間5勝を挙げた実力を見せてくれました。プレーオフ進出がかかった最終ホールでのバーディや、ギャラリーの目が釘付けとなるプレーオフと、プレッシャーの中でも力を発揮した櫻井さんのスイングをみると、大きな筋肉を使っていて、再現性が高いことが伺えます」。
 
そこで長谷川が注目したのがバックスイングからトップにかけての動きだ。「しっかりと体が回って下半身と上半身の捻転差を生んでいるのに対し、クラブの動きはおとなしく、コンパクトな位置に収まっています。ショットメーカーに共通することですが、脚や背中などの大きな筋肉、どちらかといえば鈍感な部分を使ってクラブを上げていくので、プレッシャーがかかる場面でもいつも通りのスイングがしやすく、飛距離にもつながっています」
 
では、こうした大きな筋肉を使ったスイングをするにはどうしたらいいのか。ポイントはアドレスにあるという。「櫻井さんのアドレスを飛球線後方から見ると、腰から頭まで一直線で教科書通りのポスチャーです。しかしこの一直線を意識すると、腰が反ってしまうゴルファーが多く、体が回転しにくくなってしまいます。反り腰でもなく、猫背でもない、骨盤の立った櫻井さんのような一直線の姿勢が、あの安定したスイングを生んでいるのです」
 
こうしたスイングを作るために長谷川がオススメするのが椅子を使ったドリルだ。「椅子に腰掛けたら、一度お腹を突き出すようにして、反り腰の体勢を作ります。そこから徐々にお腹を凹ますようにして、骨盤の角度が変わっていることを確認。下っ腹に一番力が入るポジションでストップし、立ち上がって股関節から前傾すれば、理想的なポスチャーの完成となります」
 
また、櫻井の飛距離を生んでいるもうひとつのポイントが、ダウンスイングからフォローまで腰が回り続けていることだという。「フォローでは左足の親指がややめくれるような動きがあって、飛球線後方から見れば、お尻がアドレスよりも背中側へ動いているのが分かります。背中側に動くことで前傾角がキープされ、ボールにパワーを伝えることができるのです」
 
この動きを覚えるのも、キャスター付きの椅子を使ったドリルが効果的。「椅子に座ってトップの形を作ったら、お尻で椅子を背中側に動かします。懐が広くなって手を振るスペースができればオッケー。切り返しで手よりも先に下半身を動かすことができて、前傾も保ちやすくなり、ボールに力が伝わりやすくなります」。今日からオフィスで座りながら、試してみてはいかがだろう。
 
プロフィール/長谷川哲也
深堀圭一郎プロのマネージャー兼キャディを務め、2年間国内外のツアーを転戦。2004年から本格的にゴルフインストラクターとしての活動を開始。DEPARTURE GOLFでレッスンする傍ら、最先端のゴルフ理論や指導メソッドを発信しているYou Tube「ゴルフレッスン動画のマイケルゴルフTV」のチェンネル登録者数は6万人を突破。

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