北海道は験がいい! 強心臓の“ここちん”が2週連続優勝へ

あだ名は“ここちん”。強心臓が売りの19歳がいざ2連勝へ。(撮影:鈴木祥)

<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 事前情報◇5日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6420ヤード・パー72>

ニックネームはここちゃんorここちん。先週、初優勝を挙げた19歳の櫻井心那(さくらい・ここな)は「疲れもあって、そんなに調子も良くない。予選通過はマストとして、パッティングを決めていければ、上位に行けるかもしれない」と開幕前日に控えめな意気込みを口にした。

プレーオフを制した翌日の月曜日に北海道入りし、コースで練習。火曜日には練習ラウンドを行い、この日はプロアマに参加した。「小祝さくらさん、笠りつ子さん、藤田さいきさん、堀琴音さん…。名前を挙げたらキリがないんですけど、私が尊敬している先輩たちから『おめでとう』と声をかけてもらえて光栄です」。

コースに来れば自分が優勝したことを実感し、胸が熱くなる。ただ、コース外でも大量のお祝いメッセージに返信するなど、この数日間は休む間もなかっただけに、「疲れ」という言葉が出るのも致し方ない。

地元・長崎で開催の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」(9月、パサージュ琴海アイランドGC)に向けて、調子を上げていこうとコーチやキャディと話していた矢先の優勝。「私としては未完成過ぎる状態で勝ってしまった感じで、調子は良くないんです」。これもまた偽らざる本音だろう。

パサージュ琴海は高校時代、週に何度も練習に訪れたコース。「(パサージュ琴海の)キャディさんからも『みんなでキャディルームで見てたよ』とメッセージが来ました。(試合がない)来週は長崎に帰るので、パサージュにも行きます」。同コースに限らず、長崎では多くの友人や関係者が凱旋を心待ちにしているはず。ちなみに地元では「ここちゃん」、同期を中心にツアー仲間からは「ここちん」と呼ばれることが多いという。

今大会が行われる北海道は櫻井にとって験がいい。昨年の「北海道meijiカップ」ではレギュラーツアー2試合目の出場ながら、優勝争いを演じて2位タイフィニッシュ。「最終日最終組でプレーしたことで自信もつき始めて、その後のモチベーションにもなったので、ターニングポイントの大会だと思います」。北海道特有の洋芝を苦にしないのが強みだ。

さらに、優勝争いになった時に発揮される勝負強さもストロングポイントだ。昨季のステップアップツアーでの5勝はすべて逃げ切りで、最終日を首位(タイを含む)で迎えた試合はすべて勝ち切った。先週も今季初の優勝争いで、初のプレーオフを制して優勝。「ウイニングパットの映像を見たら強気に打っていてびっくりしました。いろんな人に『強かったね』と言われたんですけど、自分ではいいタッチで打ったと思っていました」。

ゾーンに入れば、調子の良し悪しは関係なし。優勝を争うライバルたちにとっては、今大会で一番怖い存在かもしれない。(文・田中宏治)

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