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笑顔でつかんだ初優勝 菅沼菜々の「私アイドルなんで!」に秘められた思い

なんてったってアイドル! 菅沼菜々が悲願の初Vを笑顔でつかみとった(撮影:佐々木啓)

<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日◇13日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6702ヤード・パー72>

最終日を自身初の単独首位で迎えた菅沼菜々。リードを保って最終18番を迎えたが、猛追してきたルーキー・神谷そらが土壇場でバーディを獲り、プレーオフに突入した。

プレーオフは2ホール目に菅沼がバーディを獲って決着。念願の初タイトルを勝ち取った。

「昨年はいいところまで行っていながら、勝つことができなくて悔しい思いをしていました。もう勝てないんじゃないかと考えることもあった。本当に優勝できてうれしいです」

気負ってしまうことが多く、結果を出せずにいた。思い悩んだ時期もあったが、「寝ると忘れられるんです」と笑顔で“特技”を明かした。メンタルスポーツと言われるゴルフにおいて、気持ちの切り替えは重要だ。それはプレー中はもちろんのこと、プレー以外の日常でも。ネガティブな気持ちを引きずっていると、それはプレーの結果に出てしまう。

この最終日もバーディが来ず、ピンチやミスに怒ってしまったり、フラストレーションが溜まるときもあったという。そこは「アイドルなんで、笑顔でやり過ごしました」と、菅沼は笑う。3年前からアイドルグループの『乃木坂46』にハマっており、「私はそんなに可愛くないけど、アイドルみたいなプロゴルファーがいてもいいかな」と思って、研究してなりきっているのだ。この独自のメンタル術により、ピンチを乗り越えて初優勝をつかんだ。

今大会ではキャディに「ゴリラじゃん」と言われるほど、飛距離が出ていた。特にアイアンの飛距離がすさまじかった。「ピッチングウェッジがきょうもバーディを獲るときに大活躍してくれたんですが、いつもならキャリー125ヤードなのが、140ヤード飛んでいました」と本人も驚く。

これだけキャリーの飛距離が違ってくると、縦距離をコントロールするのが難しくなりそうだが、そこは「飛んでうれしかったので、キャリーの違いは考えていませんでした。ゴリラで助かりました。短い番手でグリーンを狙えるので」とここでも笑顔を見せた。

今大会、菅沼が大事にしていたのは「楽しく回ること」。アイドルにも、ゴリラにもなりきって、笑顔で手にした勝利だった。(文・河合昌浩)

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