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中島啓太が8バーディ猛チャージ! 磨きをかけたスピンコントロールで上位追撃へ

中島啓太がムービングデーに22人抜き(撮影:岩本芳弘)

<パナソニックオープン 3日目◇23日◇小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7113ヤード・パー72>

予選2日間では4アンダーと伸ばしきれず、35位タイにとどまっていた中島啓太だったが、ムービングデーの決勝ラウンド3日目に8バーディ・3ボギーの「67」でラウンド。トータル9アンダー・13位タイまで順位を上げた。

出だしの1番から2連続バーディと幸先良いスタートを切った中島だったが、続く3番から連続ボギーを叩き、出だしで作ったせっかくの貯金を使い果たしてしまう。このままずるずるいきそうな嫌な流れだったが、6番パー4、8番パー3と2つのバーディですぐに取り返してみせた。

インコースに入っても11番のパー5を皮切りに、4つのバーディ(1ボギー)を奪う。後半唯一のボギーは17番パー3の池ポチャによるものだったが、続く最終18番ですぐにバウンスバックを決めるなど、粘り強いプレーが光った。

「16番、18番と難しいホールでバーディが獲れて良かったんですけど、15番もとりこぼしているのと、17番は本当に難しい風が吹いていたので、バーディを獲るホールではないのかなって思っていたんですけど、池に入れてしまったので少し悔いの残るショットでした」と、難しい風の中での対処に迷いがあった。その池越えの17番パー3だが「池をいちばん警戒して、しっかり奥に乗せて2パットというイメージだったんですけど、緩んで風に負けてしまいました」。

インパクトで緩んだことで、思ったより距離が出ずに手前の池に入れてしまった形となったが、これには理由もがある。「今週は特に(グリーンで)バックスピンがかかってしまうので、スピン量をコントロールするようなショットが必要になるんですけど、それで緩んでしまったり、(逆に)強く入ってしまったり。微妙なコントロールがまだ甘いのかなって」と話すように、柔らかめのグリーンコンパクション(22)により、いつも通り強く打つショットでは、スピンが入り過ぎてしまう。そのため、スピンをかけ過ぎない技術が必要になるのだが、強く入れ過ぎないように意識したことで、インパクトが緩んでしまったのだ。

しかし、スピンコントロールのミスはこのホールだけで「ショットの調子はそんなに悪くはないですし、グリーンの戻り加減だったり、スピンコントロールも初日よりは慣れてきた。あとはこの風に対して緩まずに、どうやって球を出していくかっていうところが、明日バーディを獲るために大事なところかなって思っています」。初日からの経験値を重ねたことで、ショットの安定度、このコースを攻略する上で最も重要と話すスピンコントロールの精度も上がっている。

「最終日はトップ5を目指して、今日ぐらいのスコアは絶対に必要だと思うので頑張りたい」と話した中島。この日トップの組でスタートしたため「おそらく20位くらいまで落ちてしまうのかなって思っている」とホールアウト後に順位を予想したが、終わってみれば13位タイ。つまり全体的にそこまでスコアは大きく伸びなかったことになる。

首位とは7打差あるが、状況次第ではまだまだわからない。「集中力もだんだん上がっていってる」。明日の最終日、中島がさらなるチャージをかける。(文・土屋裕一)

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