「萌寧ちゃん」に続け! 西郷真央が辿る復活V→米QT挑戦ルート

西郷真央は1年半ぶりのツアー6勝目をかけて最終日へ(撮影:福田文平)

<伊藤園レディス 2日目◇11日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

地元・千葉で今季初優勝を狙う西郷真央が大会コースレコードタイとなる「63」をマーク。トータル12アンダーとして、初日の19位タイから一気に単独首位に浮上した。国内のシーズン終了後に米女子ツアーの最終Qスクールを控える選手の一人。昨年5月以来の優勝を飾り、勢いをつけて海を渡りたい。

ホールアウト後の会見でコースレコードに並んだことを知った西郷は「光栄です。安定したプレーができていたので、それがスコアに繋がって良かったです」とわずかに表情を緩ませた。自ら“安定したプレー”と話した通り、この日は序盤からチャンスの連続だった。

2番パー3で5メートルのバーディパットを沈めると、3番パー5では残り60ヤードの3打目を1メートルにつける。4番でも4メートルのチャンスを生かすと、5番パー5は2オン2パットで4連続バーディを奪った。

さらに2つスコアを伸ばして迎えた終盤も、上がりで3連続バーディ。16番で5メートル、17番で2.5メートルを決めると、この日唯一グリーンを外した18番はグリーン奥のカラーから5メートルをパターでねじ込んだ。直近の数試合はオデッセイの新シリーズ「Ai-ONE」のパターを使用していたが「セットアップの違和感が取れなくて。原因が私のストロークにあるのかを突き止めるべきだと思って、今週は元のパターに戻しました」。違和感の原因はサイトラインの違いにあるようで、新しいパターは調整中。この日のプレーで「セットアップがハマれば、いいストロークができている」という自信を取り戻した。

米ツアーのQスクールに向けて、クラブセッティングにはこだわっており、先月の「スタンレーレディス」ではフェアウェイウッドをチェンジ。新しい5Wは以前の3Wと比べて遜色ない距離が出るため、“3W、5W”のセッティングから“5W、7W”に変更した。その後、わずかなロフトの調整などを経て「ようやくハマってきたかなという感覚はあります」。今の自分に合った14本が整いつつある。

先週はジュニアのころに同じ練習場に通っていた稲見萌寧が日米共同開催の「TOTOジャパンクラシック」で今季初優勝。一足先に米女子ツアーの出場権を得た。「いつもクラブやスイング、ゴルフの話で盛り上がるので、萌寧ちゃんの優勝はうれしかったです。私もついていけるように頑張りたいと思います」。西郷も最終Qスクールを突破し、来季はともに米女子ツアーを主戦場としたいところだ。

その前に、まずは残り3試合となった今季国内戦。「家は近くないんですけど、地元でやる大会は好きなので頑張りたいと思っていました。自分のプレーをすることが優勝への近道だと思っています」。昨季終盤の不振からは完全復活。あとは優勝という結果を手にするだけだ。(文・田中宏治)

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