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シニア初優勝の増田伸洋 “鉛ベッタリ”の中尺パター投入で速いグリーンを攻略【勝者のギア】

増田伸洋のバッグの中身は?(提供:PGA)

<すまいーだカップ シニアゴルフトーナメント 最終日◇18日◇イーストウッドカントリークラブ(栃木県)◇6867ヤード・パー72>
 
2006年の「マンダムルシードよみうりオープン」でレギュラーツアー初優勝を挙げてから17年。シニアルーキーの増田伸洋は、前週の「すまいーだカップ」でシニア初優勝を遂げた。現在はクラブ契約フリーで、キャロウェイ、テーラーメイド、本間ゴルフ、プロギア、ジューシー、タイトリストと6メーカーのギアで戦っている。

身長は175センチとそれほど大きくないが、流通経済大学付属柏高時代はラグビー部に所属し高校日本代表に選ばれたほど身体能力は高い。シニア入りしても、その飛距離は大きなアドバンテージとなっている。ドライバーは「春先から打感が良くて」とキャロウェイの『パラダイム ◆◆◆』をシーズンを通して使い続けている。ロフトは10.5度で、アジャスタブルホーゼルでつかまりのいいアップライトに調整。「シャフトは2、3回替えたけど」と、いまは『Tour AD IZ-6X』に落ち着いた。

50歳になれば当然飛距離は落ちる。「ここ何年かは原因不明の腰痛で歩けなくなるのが何回かあった」と体の不調にも悩まされた増田が増やしているのは“素振り”。「昔はガツガツとウェートトレーニングをやったけど、今は暇さえあれば素振りをしているし、体に良いといわれるストレッチをやるようになりました」と話す。
 
そんな増田のゴルフバッグには14本のクラブ以外に2本の素振り棒が入っている。1つは先端が重いバット形状のもの、そしてもう1本はグリップ側に重りが付いている振り感が軽いものだ。重い素振り棒に関しては、「今週は家に忘れてきたから、宇都宮のゴルフショップで1本買ってきた」というほど、増田にとって欠かせないものとなっている。
 
そして、気になるのは軽い方の素振り棒。「上田桃子プロのコーチをしている辻村明志さんが発売していて、『良い』というからもらいました(笑)」。軽いのでビュンビュンとスピードが上がり、ヘッドが走る感覚が身につく。また、素振りが増えたきっかけは「ボールを打ち出すと黙々と永遠に打っちゃう。それで打ち過ぎて腰が痛いってなる」こと。増田にとって素振り棒は、“振りさみしさ”を紛らわす禁煙ガムみたいなものかもしれない。

グリーン上では中尺パターを使用している増田だが、この大会から長さを37インチから36インチに短くした。「ちょっと体を起こして構えたいので、今年はずっと37インチを使ってきたけど、ちょっとカップ際で球が伸びないなと思っていた。ヘッドも違うものにして1インチ短くしたら、球がけっこう伸びて入ってくれました」。
 
ヘッド自体はオデッセイの『ワークス ジェイルバード』で新しいモデルではない。増田自身もレギュラーツアーに出たときに36インチに伸ばして作ってもらい「そのまま置いといた」という。
 
それを「ソールにベタッと鉛を貼って、ここ2カ月くらいでグリップを5回くらい替えていい感じに」調整。いまはウィンの赤い中尺用のグリップが入っている。「とりあえず試合で使わないとわからないからと。そうしたら入った(笑)」と、投入したばかりのパターでイーストウッドCCの硬く速く仕上がったグリーンを攻略し、シニア初優勝をつかんだ。
 
【増田伸洋の優勝クラブセッティング】
1W:キャロウェイ パラダイム ◆◆◆(10.5度/Tour AD IZ-6X)
3W:テーラーメイド M4(15度/Tour AD F-75X)
5W:テーラーメイド ステルス(18度/Tour AD プロトタイプ)
4I:本間ゴルフ ツアーワールド TW-U(22度/VIZARD IB 105U)
5I~PW:プロギア PRGR 01(N.S.PRO MODUS3 SYSTEM3 プロトタイプ X)
51,55,60度:ジューシー tT(N.S.PRO MODUS3 SYSTEM3 プロトタイプ X)
PT:オデッセイ ワークス ジェイルバード(36インチ)
BALL:タイトリスト PRO V1x

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