7つ伸ばして7つ落とす… 藤田かれんは初V逃して涙

藤田かれんは伸ばしきれず。初優勝には届かなかった(撮影:米山聡明)

<SkyレディースABC杯 最終目◇29日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>

ステップ・アップ・ツアー唯一の4日間大会が終了した。初優勝を狙って1打差の2位タイからスタートした藤田かれんだったが、1イーグル・5バーディ・5ボギー・1ダブルボギーと出入りの激しいゴルフで「72」。スコアを伸ばせず、初優勝はおあずけとなった。

出だしの1番パー4で幸先よくバーディを奪った藤田だったが、その後はバーディとボギーが交互にくるもどかしい展開が続いた。そんな嫌な流れを払拭したのは終盤15番パー5のイーグルだった。3打目をカップインさせ6アンダーに浮上。一気に優勝争いにカムバックしたが、17番パー4で痛恨のダブルボギーを喫し万事休す。つかみかけた初優勝はスルリと逃げてしまった。

プレー終了後、悔し涙を流しながらも気丈に最終日を振り返った。「バーディはたくさん獲ったのにボギーをたくさん打ってしまったので、そこが敗因。これまでの3日間運が良かった分、今日はアンラッキーなこともたくさんあった。そこで耐えきれなかったのはもったいなかった」。ちなみに、バーディ、イーグルだけのスコア7アンダーは最終日のベストだ。前日3日目には、12番でホールインワンを奪うなど、プロゴルファーとしての攻めるゴルフは魅力的。最終日も「ギャラリーの声援が力になった」と藤田を後押しした。

「2週連続でいい位置から最終日を迎えて、自分で勝ちにいけなかったので悔しいしかないです」と話したように、前週の「中国新聞ちゅーピーレディース」でも最終日に首位と1打差からスタートしたが、3打差の4位タイとしていただけに“今週こそは”という強い思いがあった。

「この難しいコンディションの中でもたくさんバーディが獲れる実力があるっていうのは、改めて分かった。攻めた時のリスクを回避できる技術が大事だと感じました。今週、先週で『バーディは来てくれるんだ』っていうのが分かったので、あとはアプローチだったり、もっと冷静に考えられることを練習でも力をつけていきたい」。初優優勝へむけ、足らないものはすでに見えている。

練習では自身が苦手とする、ショートゲームを教えてもらったというウー・チャイエン(台湾)も同じく来週はレギュラーツアー「スタンレーレディス」に出場する予定。「あとは実力をつけるだけなので、自分も同じ舞台(レギュラー)にいけるように…。今年中には1勝はしたいなと思える週になりました」。

優勝したら欲しかったという有名ブランドバッグも「残念ながらちょっとまだ買えないですね。まだ持つのが早いってことでした(笑)。まだ連戦が続きますので、優勝目指して頑張ります!」。最後はいつもの笑顔で答えた藤田。涙を拭いて次戦でのリベンジを誓った。(文・土屋裕一)

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